今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!今回は『気になる!赤ちゃんの「O脚」は、大丈夫?』をご紹介させて頂きます。

「O脚」と「ガニ股」は違う?

「O脚」は、足をそろえて立つときに、両方の膝関節が外側に膨らみ、膝と膝のあいだに隙間ができてしまう状態です。左右のくるぶしをそろえても、両膝の内側が接しない、膝を曲げると膝が自然と外側に開く、といった特徴が見られます。

両脚の曲がりが、正面(あるいは背面)から見るとアルファベットの「O」に見えることから、「オー脚(きゃく)」と呼ばれています。医学的には「内反膝(ないはんしつ)」といいます。また、俗称では「ガニ股」と呼ぶこともあるでしょう。しかし、「O脚=ガニ股」という表現は正しくありません。大腿骨のねじれが、外側に起こるのが「ガニ股」で、内側に起こるのが「O脚」です。

2歳ごろには「自然に」治る

赤ちゃんは、ママのお腹のなかでは脚を曲げた状態でいるため、出生してからもO脚になっています。これは正常な姿です。O脚の状態は、満2歳あたりまで続き、その半年後には「X脚(外反膝)」に変化していきます。

そうして、満6〜8歳を迎える頃になると、脚は真っ直ぐになることでしょう。つまり、赤ちゃんの脚は、発育に伴って変化していくのが一般的です。心配する気持ちもあるでしょうが、赤ちゃんの脚の曲がりは、だいたい2歳を目処に自然に改善していきます。それまでは様子を見てよいでしょう。

「くる病」の心配もある

しかし、1つだけ、気になることをお伝えしておきます。赤ちゃんが満2歳を過ぎて、脚をそろえて立ったときに(あるいは寝かせた状態で)、両方の膝の隙間に「大人の指が2本以上(約3cm以上)」入るようになら、「くる病」の心配があります。小児科を受診に、医師に相談するとよいでしょう。

「くる病」とは、成長期に骨が軟らかくなって、変形したり、骨が伸びなくなったりする病気です。赤ちゃんの多くはもともとO脚ですが、骨が柔らかくなることで、それがさらに強くなります。成長期の子どもにだけ起こる病気です。

骨には「カルシウム」と「リン」が大事

子どもの骨は、その端に「成長軟骨」と呼ばれる軟骨層があり、それが石灰化して骨に置き換えられることで骨が長くなります。これが手足や身長が伸びる「成長」の仕組みです。

骨を強くするには、「カルシウム」と「リン」が必要です。カルシウムとリンが結合して「ハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウム)」という成分が作られます。ハイドロキシアパタイトが主成分となって、骨の硬さは生まれます。

「くる病」は、成長期における「カルシウム」と「リン」の不足から発症する病気です。この2つの成分が不足すると、軟骨から骨への置き換えに問題が生じ、成長軟骨が弱い(軟らかい)ままで、やがて変形などを起こすのです。また他にも、身長が伸びない、何もない場所で転ぶことがある、乳歯が生えるのは遅い、虫歯になりやすい、などの症状が見られます。

くる病予防は「お魚」と「日光浴」

くる病の発症は、カルシウムを骨に沈着させる性質の「ビタミンDの不足」がおもな原因とされています。ビタミンDが不足すると、カルシウムやリンが腸から体に吸収されにくくなるためです。

また、母乳にはビタミンDが含まれていないため、どうしても不足がちになります。ビタミンD不足は「母乳の落とし穴」とも言われるくらいです。ビタミンDは、魚、卵黄、キノコ類に多く含まれる成分です。積極的に摂取して、赤ちゃんのビタミンD不足を解消するようにしましょう。妊婦のときから、ビタミンDを摂っておくと、くる病予防につながります。

食事だけでなく、ビタミンDは、日光浴によって皮膚で生合成することができます。そこで、赤ちゃんといっしょに、20分ほどの昼間の散歩を楽しむのがおすすめです。ビタミンDが補えて、さらに赤ちゃんの気分も晴れやかになることでしょう。くる病の発症予防には、できるだけ外に出て、日光を浴びることが大切です。

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