「ぎっくり腰」の原因と予防について

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今回は『「ぎっくり腰」の原因と予防について』をご紹介させて頂きます。

ぎっくり腰は「魔女」のしわざ?

「ぎっくり腰」は、突然に起こる腰の激しい痛みをあらわす呼び名です。医学的には「急性腰痛症」と呼ばれ、
(1)腰椎のねんざ
(2)筋肉の損傷
(3)筋膜の炎症
により発症する障害です。急に「ギクッ」という電気のような激痛が腰を走り、そのまま動けなくなってしまうほどの強い症状が特徴です。

このような突然の痛みは、いつ来るかわからない不気味さから、昔のドイツやイタリアでは魔女のしわざと考えられ、ぎっくり腰は今でも「魔女の一撃」と呼ばれています(ドイツ語では「Hexenschuss」、イタリア語では「Colpo della strega」)。そのため英語でも、「witch’s shot」という俗名で呼ばれています。

激痛は「約1週間」でだいぶ和らぐ

「ぎっくり腰」の症状は、血液の循環が著しく滞り、筋肉が緊張して凝り固まることで、腰や背中に強い痛みが起こります。激痛は、「腰骨が折れたよう」、あるいは「腰に太い針を差し込まれたみたい」と表現されるほどです。腰に力がまったく入らず、発症してすぐは、起き上がること、座ること、歩くことがほぼできなくなります。

呼吸をするのも痛いくらいです。激しい痛みのため、横になっているのも辛く、夜は眠れない(あるいは眠りが浅い)ことが多いでしょう。腰の強い痛みは、約2〜3日は続きます。発症から約1週間が経過すると、腰の痛みだいぶ和らぎます。そして、約2〜3週間で自然に治るケースが一般的です。

きっかけは「筋肉疲労」の蓄積

人間の上半身は、全体重の約70%にものぼります。体重60kgの人の場合、42kg(70%)の重さを18kg(30%)の下半身がじっと支えています。歩く、走るだけではく、屈む、跳ねる、ねじるなど、人間のさまざまな動きを支えているのです。そのときに、重要な役割を果たしているのが上半身と下半身をつなぐ「腰部」です。

おそらく、腰は日常生活のなかで、多くの動きに耐えながら働いているのでしょう。ぎっくり腰は、日頃の「筋肉疲労」が蓄積し、それがあるときに許容範囲を超えることで、急に発症すると言われています。

ぎっくり腰は「クシャミ」でも発症する

腰にかなりの疲労が蓄積している状態で、「前かがみになる」、「重たいものを持ち上げる」、「強く腰をひねる」といった無理な姿勢は、そのままぎっくり腰につながる恐れがあります。

筋肉疲労が蓄積している腰には、
(1)お辞儀をする
(2)立ち上がる
(3)咳やクシャミをする
(4)掃除機をかける
(5)靴を履く
(6)後ろを振り返る
など何気ない動作でも、ぎっくり腰へのトリガー(きっかけ)になるのです。

ぎっくり腰の原因はさまざまで、はっきりしたメカニズムは明らかになっていません。骨に問題あるのではなく、筋肉・筋膜・神経が大きく関係していることは分かっています。椎間板ヘルニアなど重症になる前の「警告」とみる考えもあります。そもそも、腰痛の約85%は「非特異的腰痛(原因が特定できない腰の痛み)」と言われ、ぎっくり腰もその1つです。

できれば、「整形外科」を受診

ぎっくり腰を発症してすぐは、「楽な姿勢」で様子をみるようにします。横向きに寝て、体を丸める姿勢がわりと楽といわれます。炎症のため熱を持っているので、氷のうなどを使い、うつ伏せで患部を「約20分間冷やす」と痛みが軽くなります。ただし、回復に向かってから冷やすのは、血行が悪くなるので、逆に温めることが必要です。

1〜2日経過して、ある程度の回復を待つか、あるいは人の助けを借りて、「整形外科」を受診するのがよいでしょう。場合によっては、椎間板ヘルニアや骨折など重症の恐れも心配されるからです。

回復には「痛み止め」と「ストレッチ」

ぎっくり腰の治療は、「解熱鎮痛剤」などの服用と「自宅療法(数日の安静)」が基本です。症状によっては、一時的に「コルセット」の着用をすすめられることがあります。回復が早まるような「ストレッチの指導」を受けましょう。一般的に、ぎっくり腰は1週間ほどで自然に回復に向かう腰痛です。

痛みが和らぎ、回復してきたと感じたら、体を少しずつ動かすようにしましょう。わずかでも腰や背筋を動かすことで、回復が早まるからです。指導された「ストレッチ」は完治するまで続けましょう。腰周辺の血流が流れることで、腰の血行も正常に向かいます。そして徐々にでも、できる限り通常の日常生活を始めることが大事です。

2種類の「ストレッチ」で予防する

ぎっくり腰は、再発の多い病気です。ぎっくり腰を経験した人の約25%は、1年以内に再発するといわれています。(再発も含めて)ぎっくり腰にならないためには、日常生活で
(1)無理な姿勢をとらない
(2)同じ姿勢を長時間しない
(3)できれば肥満を解消する
(4)適度な運動を習慣にする
といった予防対策を行うのがよいでしょう。
また、次に紹介する「2種類のストレッチ」を毎日の生活に取り入れて、少しだけでも実施するようにします。

<寝た状態で行うストレッチ>
(1)仰向けに寝る
(2)右の膝を立てる
(3)左の足を曲げて膝を抱える
(4)約5秒間保持する
(5)反対の足も同様に行う

<立った状態で行うストレッチ>
(1)足を腰の幅に広げる
(2)両手を腰に当てる
(3)腰だけをゆっくり円を描くように大きく回す

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