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今回は『今さら知る!「大豆イソフラボン」の効果とは?』をご紹介させて頂きます。

女性ホルモンに「似ている」成分

「大豆イソフラボン」は、大豆の胚軸(生長すると芽になる部分)に多く含まれるフラボノイドの一種です。フラボノイドはポリフェノールの仲間で、植物に含まれている色素、苦味、辛味などを作る成分です。

イソフラボンは、マメ科植物に多く含まれるフラボノイドで、美容などによい効果があるとされています。なかでも「大豆イソフラボン」は、「植物エストロゲン」とも呼ばれ、その分子構造が女性ホルモンの「エストロゲン」に似ていることから、女性の味方として注目が集まっています。

「更年期障害」と「美肌」に効果あり

エストロゲンは、卵胞ホルモンとも呼ばれ、卵巣から分泌される、女性の体にはとても大事な成分です。
(1)生理・妊娠・出産といった体の仕組みをコントロールする
(2)女性らしい丸みのある体を作る
(3)コラーゲンを増やし、肌の潤いを守る
(4)髪にツヤとハリをもたらす
といった働きがあります。

しかし、更年期(閉経前後の時期)を迎えると、エストロゲンの分泌量は急激に減少します。そうなると次第に、疲労感、のぼせ、憂うつ感、冷え性、頭痛、不眠、腰痛などの症状があらわれます。いわゆる「更年期障害」です。またこの時期には、しわ・しみ・たるみが増えるようになります。

大豆イソフラボンには、
(1)ダイゼイン
(2)グリシテイン
(3)ゲニステイン
の成分が含まれています。そのうちの「ダイゼイン」は、腸内でエクオール産生菌(腸内細菌)によって代謝されると、「エクオール」という物質に変化します。この「エクオール」が、女性ホルモンのエストロゲンと似た働きをします。つまり、大豆インソフラボンを上手に摂取することで、更年期障害の抑制や、美肌効果が期待できるというわけです。

「アンチエイジング」や「病気予防」にも

私たちは、1日に約500リットルの酸素を吸い込んでいますが、そのうちの約2%は「活性酸素」と呼ばれる物質に変化しています。活性酸素は、外から侵入してくる細菌や病原菌を撃退する働きをもっています。

しかし、増えすぎると、老化、生活習慣病、動脈硬化、心臓病などの原因の1つになるといわれています。イソフラボンには、その「活性酸素」を除去する「抗酸化作用」があります。イソフラボンを摂取することで、増えすぎた活性酸素を抑えることができます。その他にも、骨粗しょう症を防ぐ、悪玉コレステロールを抑える、といった効果が、研究によって明らかになっています。

大豆イソフラボンが「多く含まれる」食品

大豆イソフラボンは、大豆を原料とする食品のほとんどに含まれています。例えば
(1)大豆
(2)煮大豆
(3)揚げ大豆
(4)きな粉
(5)豆腐
(6)凍り豆腐
(7)おから
(8)金山寺みそ
(9)油揚げ類
(10)納豆
(11)味噌
(12)しょうゆ
(13)豆乳
などが挙げられます。

これらは、日本に昔から伝わる食品や加工品ばかりです。日本人は、長い歴史のなかで食生活を工夫し、健康と美容を維持する努力を重ねてきたのでしょう。ところが、現代は食生活の欧米化が進んだことで、大豆イソフラボンを摂取する機会が減少しているようです。

サプリメントで補うこともできるでしょうが、油揚げの入ったお味噌汁や、煮豆、卯の花などをおいしく食べて、大豆イソフラボンを体に摂り入れてはいかがでしょうか。1日の摂取量の目安は、豆腐なら約半丁、納豆なら1パック、煮豆なら約80gです。