緊張すると起こる「片側顔面けいれん」について

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今回は『緊張すると起こる「片側顔面けいれん」について』をご紹介させて頂きます。

「中年女性」に多い病気

「片側顔面けいれん」は、自分の意思とは関係なく、勝手に顔面の片側がピクピクとけいれんし続けてしまう病気です。症状は突然起こり、眠っているときにも発症します。年齢が50〜70代の中年以降に起こりやすい病気とされています。患者の男女比は、「1:2」で、やや女性に多くみられます。

外出しているとき、人と会って話をしているとき、など緊張した状態に起こりやすいといわれています。他にも、疲労・寝不足・ストレス・不安・心配・イライラなどを抱えていると、片側顔面けいれんの症状は強くあらわれる傾向があります。また、他人のまえでけいれんの発作が起こると、抑えようと焦るあまり、かえって緊張状態が増すことで、症状は余計にひどくなるでしょう。

重症化すると、「一日中けいれん」することも

片側顔面けいれんの症状は、はじめのうち、左右どちらかの「まぶた(上もしくは下)」に筋肉のひきつりが起こります。そして、そこからだんだんと広がり、「目の周囲」の筋肉が、ピクピク動くようになります。すると、やがて「ほお骨」→「口の端(口角)」→「口の周囲」と、けいれんは広がります。こういった症状は、顔面の片側にだけ広がる(両側には起こらない)のが特徴です。

症状が続くあいだは、
(A)顔の片側がゆがむ
(B)ひきつる
(C)瞼が閉じたままになる
といった感じがあるでしょう。
また、症状が進むと、けいれん発作の
(1)回数が増える
(2)時間が長くなる
(3)症状の範囲が広がる
などの状態が見られます。

そのため、1日に複数回・数分間、けいれんが続くこともあります。症状の範囲も、片側の目から口にかけての全体から、首にまで広がり、これらの範囲でけいれんが同時に起こるようなことがあります。さらに重症化すると、けいれんが一日中、眠っているときにも起こります。

顔面神経を「圧迫する血管」が原因

顔や顎の筋肉をコントロールしているのは「顔面神経」と呼ばれる脳神経です。顔面神経は、顔面の表情を動かすだけでなく、味覚、涙腺、鼻の分泌などの感覚を司る神経でもあります。顔面神経の繊維は、「脳幹」と呼ばれる脳の中軸から出て、頭蓋骨のなかを通り、それぞれ顔面をコントロールする部分に伸びています。

片側顔面けいれんは、脳幹から出る顔面神経が、そばを通る血管(動脈や静脈)に接触して、神経を圧迫することで起こると考えられています。そして、心臓がドキドキと収縮運動を行うたびに、ぶつかった血管が拍動して顔面神経が刺激されます。すると、顔面の筋肉が無意識に収縮するなどしてけいれんが起こるのです。

また、稀なケースとして、頭にできた腫瘍が顔面神経を圧迫したことで「片側顔面けいれん」が発生することがあります。

効果的な治療は「外科手術」

顔面のけいれいが頻繁に起こるようなら、「脳神経外科」や「神経内科」を受診し、専門医に相談しましょう。診断は、患者の症状と、MRI検査によって行われ、脳内に顔面神経を圧迫するような血管(もしくは腫瘍)が発見されると、おおよそ病気が確定します。

顔面のけいれいの治療は、
(1)薬物内服療法
(2)ボツリヌス療法
(3)外科手術
の3つから選ぶことになります。治療のなかで、もっとも効果的で根本的な方法は、圧迫している血管を神経からはがす「外科手術」です。血管を移動し、顔面神経の痛みを取り除きます。手術を受けることで、約90〜95%の患者は、けいれん症状が完治しています。手術を含めて1週間程度の入院が必要です。

症状が軽度であれば、「抗不安薬」や「抗けいれん剤」などを内服して様子をみます。中等度であれば、けいれんする筋肉に「ボツリヌス毒素製剤(ボツリヌス菌から産生される毒素を抽出して作られた製剤)」を注射する「ボツリヌス療法」が勧められるでしょう。ボツリヌス療法は、効果に合わせて約3~6ヶ月ごとの注射が必要です。

「薬物内服療法」と「ボツリヌス療法」は、根本的な治療ではないため、けいれんを完全に取り除くことは難しく、再発する可能性があります。

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