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今回は『オーガニックコスメ、「無添加」と「自然派」はどう違う?』をご紹介させて頂きます。

オーガニックの魅力とは?

オーガニックコスメ(オーガニック化粧品)は、基本的に化学肥料や化学農薬を使わず、「有機栽培」された植物由来の成分を中心に作られた化粧品です。そのため、肌にやさしく、もともと肌自体が持っている力を呼び戻し、なめらかで美しい健康な肌にふたたび近づくことが期待できます。それこそが、オーガニックの「最大の魅力」です。
そのためには、植物や土の力を活かした昔ながらの「自然農法」で育てられた植物を原料にすることが大事です。一方、ケミカルコスメという呼び方もされる一般的な化粧品の多くは、界面活性剤など原価の安い「石油系」の原料を使っています(成分によっては、天然由来と石油由来では、原価に約1万倍の違いが出るものがあるようです)。

買いやすく保存がきくケミカルコスメは、シミが消える、くすみが取れるなど、短い期間での対処的な効果はあるように見えますが、長い年月において肌全体のことを考えると疑問が残ります。

一般的な化粧品の「事情」

メーカーが「石油系」の原料を使うには、原価の安さに加えて、保存期間の問題もあります。日本では薬事法上、3年を超えて品質が劣化しない化粧品は「使用期限の表示を行わなくてもよい」とする定めがあるからです。メーカーとしては扱いやすく商品にするために、3年は劣化しない化粧品を作るためという事情が、「石油系」の原料を使う理由として大きいように思えます。

オーガニックで育てた植物の成分を抽出し、時間をかけて作られるオーガニックコスメは、コストが割高になるかもしれません。それに品質保持も短く、保管に手間がかかることになるでしょう。しかし、1年、3年、5年と、オーガニックコスメを毎日のケアにとり入れるうちに、自分の肌が元気になるのが実感できるといいます。その「喜び」と「コスト」をどう見るか、でしょうか。

世界の「オーガニック基準」はどうなの?

日本では、「オーガニックコスメ」は、まだ馴染みのない世界のようです。欧米各国のように、統一の基準が設けられていないからです。オーガニックに携わるメーカーや団体によって、オーガニックコスメの定義や認定基準など、ガイドラインはさまざまです。なかには、有機栽培の植物成分がわずかに配合されていることで、オーガニックコスメとする商品もあるくらいです。

ヨーロッパでは、次のようなオーガニックコスメの認証機関が存在し、審査基準をクリアできなければ、「オーガニックコスメ」を名乗ることができないようになっています。

<ECOCERT(フランス)>
国際有機認定機関で、農学者の団体によって設立された世界最大規模のオーガニック認定を審査する第三者機関です。水を含む商品の95%が自然原料であること、植物原料の95%は、オーガニックでなければならないこと、化学香料は使用しないこと、などの基準が設けられています。

<BDTH(ドイツ)>
オーガニック先進国であるドイツの化粧品医薬品商工連盟による団体で、世界で初めてオーガニックコスメの団体としても知られています。有機栽培または野生の植物から抽出した原料を使用すること、リサイクルできる容器を使うこと、などに加え、動物実験はしないことなど動物保護の観点からの基準が設けられています。

世界の「オーガニック基準」はどうなの?

日本でも、オーガニックに関する検査・認定する統一的な機関の誕生が待たれます。そのまえに、いま市場に出回っている「無添加化粧品」と「自然派化粧品」にどのような違いがあるのか、私たちは知っておくことが必要でしょう。

メディアによっては、オーガニックコスメと似ている、あるいは同じような意味合いで言葉が使われることがあります。しかし、こちらも、オーガニック同様で明確な定義は存在していません。メディアから流れてくるイメージが先行しているため、注意が必要です。一般的には、次のような違いがあります。

<無添加化粧品>
旧厚生省(2001年に労働省と統合されて厚生労働省になる以前の行政機関)が指定した「アレルギーなどの皮膚障害を起こすおそれのある成分(通称:旧表示指定成分)」である、パラベン、オキシベンソン、セタノールなど102種類をまったく使用しない化粧品です。合成成分が一切使われていないというわけではありません。そこは注意が必要です。他の合成成分が含まれている可能性は考えられます。

<自然派化粧品>
自然由来の成分を中心に配合している化粧品です。そのため、「天然成分配合化粧品」と名乗る商品もあります。自然由来の成分が「主成分」であるかどうかは商品によって異なります。また、使用するすべての成分が「天然」というわけではありません。現在のところ、天然成分が1つでも配合されている商品でも「自然派化粧品」という呼ぶことができてしまいます。天然成分をより多く配合した化粧品を選ぶとよいでしょう。

オーガニックコスメを選ぶには、日本にはオーガニックの基準がないことを理解したうえで、「自分が気になる(こだわる)ポイント」をあらかじめ定め、それを基準に商品選びをすることが大事になるでしょう。