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今回は『子どもの「水疱瘡」は、始めの対処が肝心!』をご紹介させて頂きます。

水疱瘡は「強いウイルス」による感染症

水疱瘡(みずぼうそう)は、
(1)全身に小さな赤い発疹ができる
(2)37〜38度の発熱が起こる
(3)全身のだるさ・軽い頭痛・ 食欲の低下を感じる
(4)赤いブツブツがふくらんで水ぶくれ状になる
(5)やがて強いかゆみを感じる、といった症状が起こる感染症です。

医学的には「「水痘(すいとう)」と呼ばれる病気です。「水痘帯状疱疹ウイルス」に感染することで発症します。水痘帯状疱疹ウイルスは、人間にだけ感染するウイルスで、強い感染力が特徴です。

発疹(ブツブツや水ぶくれ)は、顔、手足、胸、お腹、背中、頭皮、口内にまであらわれます。発疹が水ぶくれに変わると、強いかゆみが生じるため、赤ちゃんや子どもは極端に不機嫌になるでしょう。かゆみに我慢できずに、爪で掻きむしると「痕」が残ることがあります。

子どもの「90%は10歳まで」にかかる

水疱瘡は、1年をとおして感染する可能性のある病気ですが、毎年だいたい11月から流行しはじめ、春先にかけて患者のピークを迎えています。赤ちゃんや小さな子どもにかかりやすい病気で、10歳までにかかる感染症としてよく知られているとおり、子ども全体の約80%が6歳までに「水疱瘡」を経験しています。

ウイルスの感染力はたいへん強く、水疱瘡に感染しているお友だちの顔に触れるほどの接触であれば、およそ5分で感染するといわれています。ウイルスは、口や鼻から侵入します。感染経路は、
(1)空気に飛散したウイルスを吸い込む「空気感染」
(2)咳やくしゃみからウイルスをもらう「飛沫感染」
(3)手や食べものに付着したウイルスが体内に入る「接触感染」の3つが考えられます。

予防接種は「無料」で受けられる!

水疱瘡によって症状が重症化することは稀ですが、水疱瘡がきっかけで肺炎、気管支炎などの病気を発症することはあります。そこで、2014年(平成26年)から厚生労働省は、水疱瘡の予防接種を「定期接種」としています。

定期接種とは、はしかや日本脳炎などと同じように、法律によって各市区町村が乳幼児に「摂取を強くすすめるワクチン」で、ほとんどの地域で予防接種が無料(公費)で受けられます。ワクチンを接種すると、90%以上の子どもはウイルスに対する免疫が作られます。予防接種が任意接種から定期接種になったことで、水疱瘡にかかる子どもの数は大幅に減少しています。

「微熱+ブツブツ」が見られたら

水疱瘡は、体内に侵入したウイルスが血液中で増えて、さらに皮膚に発疹としてあらわれるまで、約2週間かかります。そのあいだに、ウイルスは体内で増え続けています。そして、発症から完治までは約3週間かかります。子どもにとってはもちろん、ママやパパにもこれは長い期間です。早めの対処を施すことで、症状が軽く済ませることが可能です。

近所、保育園、幼稚園などで「水疱瘡が流行していないか?」のアンテナを張っておきましょう。そして、「(1)微熱 +(2)機嫌の悪さ +(3)虫刺されのようなプツプツ」の変化が見られたら、それがわずかな症状であったとしても、すみやかに「小児科」を受診し、医師に相談しましょう。

発症から「48時間以内の対処」が大事!

水疱瘡と診断されると、
(1)抗ウイルス薬
(2)痒み止め
(3)抗生物質
などが処方されるでしょう。水疱瘡は、発症から2日(48時間)以内に薬を投与することが大事です。症状を軽くして、さらに重症化を防ぐ効果に違いがあらわれます。

また、ウイルスと接触して3日(72時間)以内に、予防ワクチンの摂取を受けると、発症の防止や症状の軽症化が期待できます。毎年、水疱瘡感染者の400人に1人は重症化して入院しています。厚生労働省の報告によると、その数は年間約4000人といわれています。子どもの体調の変化は、たいがい急に起こるものです。小さな変化に対して「様子を見る」などの対処をせずに、できるだけ早く「小児科」を受診してください。

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