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今回は『スポーツをする人に多い「シンスプリント」とは?』をご紹介させて頂きます。

シンスプリントとは?

シンスプリントとは、「すねの骨(脛骨)の内側」が痛くなる障害です。シン(shin)は「すね」を意味しています。陸上競技をはじめ、走る機会が多いスポーツを行っている人に多くあらわれる症状です。日本では「過労性脛部痛」あるいは「脛骨過労性骨膜炎」という呼び名がつけられていますが、最近では、シンスプリントという名称が一般化しているようです。

過労性と付けられているとおり、オーバーユース、つまり運動のやり過ぎによって起こる痛みです。ハードなトレーニングを集中的に行った結果、その運動時や運動後にすねの内側に痛みが発せられます。

「すね」や「ふくらはぎ」への痛み

すねの内側の下のほうに、疼痛(うずくような鈍い痛み)や圧痛(圧迫することで生じる痛み)が起こります。現在の体の状態に適さない、過度なランニングや跳躍をくり返し行うことで発症しやすい障害です。陸上競技、サッカー、バスケットボールを行う人に頻発するといわれています。

また、長い距離を走る陸上ランナーの約20〜50%に発生しやすく、さらに運動を始めたばかりの中高生に多い傾向があります。
(1)すねの内側やふくらはぎが痛む、
(2)すねの内側を押すと強い痛みが走る
(3)すねのあたりの骨にきしむ感覚がある
(4)運動量が増えると痛みが増す
といった症状に覚えがあるようなら、シンスプリントの疑いがあるでしょう。

「すねの筋肉」の使い過ぎ

すねとその周囲には、ヒラメ筋・後脛骨筋・前脛骨筋・長指屈筋・腓腹筋などの筋肉があります。その筋肉は、骨に直接付着しているのではなく、「骨膜」という骨の表面を被う膜に付いています。

これらの筋肉は、走ったり跳躍をしたりするたびに骨膜を引っぱり、すねに緊張をもたらします。その緊張した状態が過度に続くと、骨膜が耐えきれずに炎症して、痛みがあらわれるのです。症状が軽いうちは、筋肉を動かしていると(運動を続けていると)痛みが治まることがあります。しかし、痛みを我慢して練習を続けると「疲労骨折」をまねく恐れがあります。

シンスプリントは、運動する時間の長さや、練習内容がハードになることで起こりやすくなる障害です。その他にも、
(1)取り組むスポーツに初心者である人
(2)ふくらはぎなどの筋肉ができ上がっていない人
(3)ランニングフォームが悪い人
(4)扁平足の人
(5)浮き足の人
(6)すねの筋肉の硬い人
は、特に注意が必要です。また、硬いアスファルトなど練習環境の変化によっても、シンスプリントの症状があらわれることがあります。

「整形外科」か「専門のクリニック」へ

シンスプリントは治療が適したものでないと、再発する恐れがあります。そのため、本やインターネットで知り得た情報による自己判断でストレッチなどを行うよりも、整形外科や専門のクリニックを受診し、医師に相談するのがよいでしょう。

シンスプリントは、骨膜の炎症のため、レントゲン検査では異常が分かりにくく、治療にも個人差があります。ランニングをやめて、安静に過ごすのが基本です。痛みに応じて、「消炎鎮痛剤」が処方されます。そして、症状に合わせた「脚部のストレッチ」を指導されることでしょう。

完治するまで運動は控えます。「この程度の痛みなら、走っているうちに治る」という油断が再発をまねくことになります。

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