今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け!
今回は『ネイルトラブル「爪周囲炎」の症状や治療』をご紹介させて頂きます。

ネイル・マニュキア・水仕事、女性に多い病気

爪周囲炎(そうしゅういえん)は、爪の周囲の皮膚にできた小さな傷や、荒れた皮膚のあいだから細菌(ばい菌)が入って炎症を起こす「感染症」です。爪の病気ではなく、爪のまわりにある皮膚に、痛みなどがあらわれる症状です。爪囲炎(そういえん)とも呼ばれています。
(1)深爪の人
(2)巻き爪の人
(3)ささくれが多い人
に発症しやすい病気です。女性に多い病気としても知られています。近ごろでは、ネイルやマニュキアをする際にできた、わずかな刺し傷などから、感染するケースが増えています。お気をつけください。

ズキズキ「うずくような」強い痛み

爪周囲炎には、「急性」と「慢性」の2つの種類があります。爪周囲炎のほとんどは急性(急に症状があらわれる状態)で、爪周辺の皮膚に
(1)腫れ
(2)赤み
(3)熱感
(4)痛み
が起こる症状です。「疼痛(とうつう)」といって、ズキズキとうずくような強い痛みが続くのが特徴です。

炎症は、おもに「爪の甘皮(爪上皮)」や「爪の両側面の皮膚」にあらわれます。炎症がひどくなると、皮膚が赤紫色に腫れ上がり、化膿して膿がたまります。そしてその膿みが、皮膚組織をさらに傷つけることになります。

一方、慢性爪周囲炎は、急性のように強い痛みはほとんどなく、初期においては自覚症状があまり感じられません。しかし次第に、爪の色や質が変化し、やがて爪がガタガタに変形するようになります。時間をかけて、症状が進むのが特徴です。治療が遅れたり、放置したままでいたりすると、慢性化(症状が長引く)しやすい傾向があります。

「細菌」や「カビ」が侵入して起こる

爪周囲炎は、皮膚の表面の傷・割れ・ふやけなどから、
(1)黄色ブドウ球菌
(2)大腸菌
(3)緑膿菌
(4)化膿性連鎖球菌
といった細菌が侵入して、炎症が引き起こされます。先に述べたとおり、深爪の人、巻き爪の人、ささくれが多い人に加えて、爪をかじる癖のある人、水仕事(料理人、バーテンダー、家政婦、主婦など)に関わる人、手足が荒れやすい体質の人、指をしゃぶる乳幼児、に多く見られます。

原因のほとんどは、常在菌(普段から人の体に存在する菌)である「黄色ブドウ球菌」といわれています。化膿して黄色の膿みが出てくるようであれば、黄色ブドウ球菌、緑色であれば緑膿菌による感染と考えてよいでしょう。

また、「慢性爪周囲炎」では、カビ(真菌)の一種である「カンジダ」が原因として挙げられます。糖尿病や免疫不全の患者、あるいは病気や疲労などで免疫力が低下している人は、カンジダによる慢性爪周囲炎に感染する可能性が高くなります。

「抗菌薬」と「膿みを出す」治療

爪周囲炎は、治ったと見えても再発をくり返す可能性のある病気です。市販薬による自己治療よりも、できれば早めに「皮膚科」や「整形外科」を受診し、専門医による適切な治療を受けるほうがよいでしょう。きちんと治療をすれば、再発のリスクは低くなります。

爪周囲炎の治療は、一般的には
(1)患部の消毒
(2)抗菌薬の投与
(3)排膿(化膿した患部を切開して膿みを出すこと)による局所療法が行われます。
抗菌薬では、抗生物質の「塗り薬」か「飲み薬」が処方されるでしょう。原因菌を特定するために、爪や皮膚から細菌の培養検査が行われることがあります。

爪周囲炎の予防(再発予防を含む)には、次のようなことに気を配ることが大事です。

・指先は、いつも清潔に保つ
・爪を短く切りすぎない
・巻き爪は治療をしておく
・爪を噛まない、噛む癖をなおす
・指しゃぶりの癖をなおす(特に、乳幼児)
・ささくれを無理に引っ張らない
・水仕事は、ゴム手袋を着用する
・食事や睡眠など、生活習慣を整える
・爪切り、ネイル、マニュキアでは、清潔な道具を使う

▶︎医師が薦める「皮膚科」の名医情報なら【名医ログ】