自宅でも危ない!高齢者が「転倒に気をつける」場所とは?

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今回は『自宅でも危ない!高齢者が「転倒に気をつける」場所とは?』をご紹介させて頂きます。

高齢者の「転倒事故」は増加している

東京消防庁の調べによると、1年間で救急搬送されている人の数は、交通事故を除くと、約13万2000人にものぼります。そのうちの約81%は、転倒など日常生活のなかで起きる事故(ケガ)が原因です。そして、搬送された人の約半数は、「65歳以上の高齢者」です。高齢者の転倒による事故数は、ここ5年間で約20%も上昇しています。

転倒などで救急搬送された高齢者の約40%は、病院で治療を受けたあと、そのまま入院しています。そのなかには、ケガの程度が「重症」と判断され、その後に「要介護認定」を受けることになる人もいて、その割合は約1.5%と決して稀なケースではなくなっています。

高齢者は、若いときに比べて骨が弱く(もろく)なっています。転倒すると骨折につながる人が多くいます。厚生労働省老健局の調査によると、高齢者で介護が必要になった原因の第5位は「転倒による骨折」です。高齢者になると、転倒はケガだけでは済まないことが分かります。本人はもちろん、家族や周囲の人も含めて、十分な注意が必要です。

実は「自宅の室内」がいちばん危ない

高齢者が日常生活の中で、もっともケガをしやすい場所は、意外にも「自宅」です。転倒する事故というと、私たちは何の疑問もなく「屋外」を想像しがちです。ところが、高齢者にとって、もっとも危険な場所は、暮らし慣れた自宅の室内、廊下、玄関などです。そのことを、本人だけでなく、みんなが認識しておくことが大事でしょう。

高齢者が自宅で転倒してしまうのは、環境もさることながら、本人の健康上の問題が原因のいちばんに考えられます。特に、「腰やひざなどの痛み・障害」や「めまい・ふらつきなどの持病」を抱えていることは、転倒の原因として大きなものでしょう。

「居間やリビング」が転びやすい

また、比較的体が丈夫な人でも、
(1)視力の衰え
(2)手足の感覚不良
(3)筋力や運動神経の低下
(4)認知障害
(5)血圧・心拍動の障害など、高齢者に起こりやすい現象
によって、立ち上がるときや、歩いているときに急にバランスを失って体勢を崩す、あるいは室内のわずかな段差につまずくことが、転倒につながります。筋力が低下すると、転倒のリスクは約4倍に増えるとのデータもあるくらいです。

内閣府がまとめた「高齢社会白書」によると、高齢者が日常生活で転倒してケガにつながっている具体的な場所は次のとおりです。次の順で多く発生しています。

(1)居間・リビング
(2)玄関・勝手口
(3)階段
(4)寝室
(5)廊下
(6)浴室
(7)台所
(8)ベランダ
(9)トイレ

「リラックスできる場所こそ」注意が必要

居室・リビングは、全体の約45%をしめるほど、転倒の多い場所であることが報告されています。高齢者の暮らす家庭では、転倒防止策として、室内に手すりを取り付けることがあります。その場合、私たちは、階段、廊下、浴室、トイレなど、滑りやすい・つまずきやすい環境を想定してきましたが、実際は、高齢者の転倒が「居間・リビング」で多発していることには驚きます。

自宅の居間やリビングは、大きな段差や障害物はなく、また体を動かしたり移動させたりする機会も少ないうえに、普段から落ち着いてくつろげる場所であるはずですが、それでも油断はできないものです。

常日頃から転倒に注意を払っている場所よりも、リラックスしている場所でこそ、すべったり、つまずいたりすることが多いとの見方もあります。居間やリビングでは、次のようなケースで転倒が生じているようです。

・敷物のわずかな(数センチの)段差につまずいた
・毛足の長いカーペットに足をとられた
・フローリングの床ですべった
・電気コードや延長コードにつまずいた
・照明が暗くて足元をあやまった
・靴下が畳の上ですべった

自宅の室内を「再点検」してみる

2017年に総務省統計局が発表した報告によると、65歳以上の高齢者の人口は、全国に約3471万人で、日本の人口の約30%に達しています。国内の高齢化率が高まるなかで、健康寿命をできるだけ伸ばす取り組みが、ますます重要とされています。

高齢者のいる家庭では、室内の環境について、転倒防止という観点から「足元の安全」をもう一度考えてみる必要がありそうです。大がかりな工事をしなくても、片付ける・整理する・模様替えを試みる、などわずかな工夫で高齢者のケガは予防できるものです。みんなで協力して、改善に取り組むとよいでしょう。

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