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今回は『IT依存症を防ぐ「デジタルデトックス」とは?』をご紹介させて頂きます。

もっと、現実の世界に触れよう

決められた時間や日数のあいだに、スマートフォン、パソコン、ゲームなどデジタル機器から離れる取り組みを「デジタルデトックス」といいます。これは「IT依存症」を防ぐために、今からでもできる効果的な行動の1つです。

スマートフォンの急速な普及は、私たちの生活に大きな変化を及ぼしています。便利になった一方で、インターネットの世界に必要以上にのめり込んで、日常生活に支障をきたす人が増えています。

そこで、「デジタルデトックス」を行うよう、学校や企業が呼びかけています。デジタル機器を数日間手放して、現実の世界に触れよう、自然の景色を眺めよう、人々と直接話をして、現実のコミュニケーションを楽しもう、とする動きが、アメリカをはじめ世界に広まっています。

「ファビング」ってなに?

アメリカでは、スマートフォンなどモバイル端末に熱中するあまり、現実の世界やそこで暮らす人々へ意識を向けられず、コミュニケーションが阻害される状況が、頻繁に見られることから「ファビング(phubbing)」という新しい言葉が誕生しています。これは、「phone(スマートフォンのフォン)」と「snubbing(無視する)を組み合わせた言葉です。

世界最大のスマホ・メーカーであるサムスン電子の母国である韓国では、スマホ依存症の急増化が深刻です。特に10代の若者のあいだでは、1日7時間以上の時間をスマホに費やし、スマホなしでは不安症や不眠症、うつなどの症状を示す子どもが増えているといいます。見かねた保護者がスマホを取りあげると、性格が衝動的になる、怒りをコントロールできなくなるなどの症状があらわれています。

最近多い「きずな依存」の人たち

お酒やギャンブル、買い物などにのめり込み、それがやめられず、自分の力だけではもうどうにもならない状態と同じように、IT依存者は「インターネットの利用が止められない」「メールやラインが気になって、スマホが手放せない」という状況にある人です。

日本でも「IT依存症」患者は、現在約421万人と推定されています。2008年、厚生労働省は「国内で約271万人がネット依存傾向にある」と調査結果を発表していますから、9年で約1.6倍に増えていることがわかります。

日本人は、平均して週に約49時間インターネットを利用している、というデータがあり、5人に1人は「3時間以上手放すことができない」と答えているようです。近年では、ソーシャルメディアやSNSへの依存が多いのが特徴です。それらのサービスを利用する時間が長く「きずな依存」と言われる症状です。

「3つの行動」から初めよう

自分はIT依存症ではない、と思っている人でも、食事中や人と話しているとき、ついスマホを触ってしまう、という人は「デジタルデトックス」がおすすめです。まずは、次の3つから始めてみるとよいでしょう。

<利用時間を確認する>
自分のスマホ利用時間を確認できるアプリがあります。デジタルデトックスの前に把握しておきましょう。「えっ、こんなに」と、思った以上に時間を使っていることに驚く人が多いようです。もし、8時間以上触っているようなら、スマホ依存といえるでしょう。

<利用しない時間帯を決める>
多くの依存症状に共通した考えですが、「いつでもできる状態」が依存症を作ります。したがって、スマホを触らない時間を決めておきましょう。仕事中、食事中、人と会っているとき、寝る前の1時間、などルールを作ります。1日のうちで「2時間を目安」にデジタルデトックスを行います。

<使っていないアプリを削除する>
スマホにインストールしているアプリは、どのくらい利用しているでしょうか。1ヶ月以上使っていないのであれば、今後も利用しない可能性が高いといえるでしょう。きれいに削除してはどうでしょう。しばらく利用していないSNSも退会してはどうでしょう。

スマホも自分も軽くして、できるだけ縛られない毎日を過ごしてみると、自分らしさがあらわれて、生活がもっと楽しめるような気がします。