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今回は『なぜ、赤ちゃんの白眼はきれいなの?』をご紹介させて頂きます。

人の第一印象は「眼」から

初対面のときに相手に抱く気持ちを「第一印象」といいますが、これはその後の人間関係を左右する大事な要素といわれています。皆さんにとって、第一印象を決めるうえでもっとも大事なところは、どこでしょう。

ある調査によると、約92%の人が「眼」と答えています。そして、そのなかでも、印象をよくする眼は、「ぱっちりした眼」や「強さのある眼」をおさえて、第1位に「赤ちゃんのようなきれいな眼」が選ばれています。

赤ちゃんは「汚れたもの」を見ていない!

赤ちゃんの眼は、どうしてあんなにきれいなのでしょう。透き通るような白眼に、キラキラ輝く黒眼がそっと浮んでいるようです。それは「純粋で汚れたものをまったく見ていないから」とよく言われます。きっと、その通りだろうとも思います。だって、あのピュアの瞳で見つめられると、どんなときでも優しい気持ちになるからです。

自分にもこんな瞳をしていた頃があったのかしら。きれいな白眼に帰りたい、と思います。そして、あのきれいな眼には、医学的な理由もあるのです。

たくさんの涙が「汚れ」を洗い流すから

赤ちゃんは、無菌状態で生まれてきます。そして、外の世界に住む多くの細菌と出会いながら、少しずつ抵抗力を身につけていきます。生後約6ヶ月は、ママから免疫力をもらって免疫の準備を進める期間です。

準備のあいだ、赤ちゃんの体はさまざまな工夫をして、細菌やウイルスから自分の体を守りです。その代表が「母乳」です。母乳には、免疫力を高める物質「免疫グロブリン」が含まれています。母乳を飲むことは、栄養補給とともに、感染症対策にもなっています。

さらに、細菌が眼から侵入しないよう、赤ちゃんの眼は、頻繁に涙で眼球を洗い流しています。赤ちゃんの眼に目ヤニが多くみられるのは、そのためです。たくさんの涙で眼を洗浄しているので、赤ちゃんの眼はいつもきれいで輝いています。

眼のなかの「ブドウ」が透けて見えるから?

人間の眼球の外壁は、
(1)強膜
(2)ブドウ膜
(3)網膜の3つの層からできています。
いちばん外側にある「強膜」は、厚さ約1mmの白い不透明な膜で、いわゆる「白目」といわれる部分です。

白目の内側には、「ブドウ膜」といわれる層があります。色や形がブドウに似ていることから名付けられています。赤ちゃんは、強膜が大人にくらべて、まだ薄く、内側にあるブドウ膜が透けてみえます。薄い強膜のやや透明な白色と、ブドウ膜のブドウ色(日本人は褐色)が重なって、赤ちゃんの白眼がきれいに見えるのです。

「赤ちゃんのような眼」になりたい

赤ちゃんは白眼がきれいだから、黒眼もくっきり美しく見えます。大人でもあのような眼に戻ることはできないのでしょうか。白眼が濁るいちばんの原因は、疲れ目です。現代では、仕事や勉強でもパソコンを使い、スマートフォンを毎日ながめる生活が習慣化しています。

パソコンやスマートフォンから発生されるブルーライトは、紫外線の次に高いエネルギーを持ち、瞳にかかる負担は相当なものです。毎日長時間ブルーライトを浴びた瞳にはダメージが蓄積され、やがて白眼が濁ってくるでしょう。

適度に休憩する、
(1)パソコンなどの使用時間を減らす
(2)ブルーライト対策用のメガネを使う
(3)スマートフォンにブルーライト対策用フィルムを貼る
などの対策を行いましょう。人は第一印象で、まず眼を見るといわれています。きれいな白眼は、人と人とのよりよいコミュニケーション作りに、きっと役立つことでしょう。