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今回は『突然発症する「後天性アレルギー」について』をご紹介させて頂きます。

先進国では、アレルギーが問題に!

現代は、じん麻疹、鼻炎、気管支ぜん息、皮膚炎、結膜炎、食物、アナフィラキシーなど、アレルギー性疾患に悩む人が大勢います。欧米や日本など先進国では、アレルギーによる健康課題は深刻化しています。文明化とアレルギーは密接な関係があるとする考えもあるくらいです。

日本人について言えば、本来の体質と異なる生活環境が増えたことで、アレルギーが急増していると考えられています。食事の西洋化、密閉性の高い住居など生活環境の変化は、近年になって体質に影響が出てきているのでしょう。

今や「2人に1人」がアレルギー患者

厚生労働省が行った全国患者調査によると、日本で暮らす人の約2人に1人は、何らかのアレルギー性疾患にかかっているといいます。そしてその数は、年々増加傾向にあるとの報告が出ています。

厚生科学審議会のリウマチ・アレルギー対策委員会は、国民の約40%以上の人がアレルギー性鼻炎(花粉症)に、約10%の人はアトピー性皮膚炎にかかっていると推定しています。また、食物アレルギーを発症している人は、最近の10年間でほぼ倍増しています。

体を守る「免疫」と「アレルギー」の関係

アレルギーは人間が自分の体を守る「免疫」のバランスが崩れて、過剰な免疫反応が生じたことで起こります。免疫とは、体に侵入しようとする細菌やウイルスなどの「抗原(自分とは違う異物)」を撃退して体を守る防御機能です。

もしも抗原が体内に入ったときは、体から追い出すために、体は「抗体」という物質を作って抗原を排除しようとします。ところが免疫機能がバランスを崩すと、特定の花粉や食物などを抗原と判断して、くしゃみ、鼻みず、鼻づまり、ぜん息、発熱、じん麻疹、皮膚炎など過剰な反応を示すことを「アレルギー反応」といいます。

特定の花粉・食物・ほこり・カビ・ダニ・動物の毛など、アレルギーの原因となる物質を「アレルゲン」といいます。

リンゴやバナナで、アレルギーに?

今まで普通に触れていたもの、普通に口にしていた食べ物が、大人になってから突然「アレルゲン」となり、アレルギー反応が出ることがあります。これは「後天性アレルギー」と呼ばれる現象です。

特に最近では、後天性の食物アレルギー(フードアレルギー)にみまわれる人が増えているようです。大人になってから発生するアレルゲンは、(1)果物、(2)小麦、(3)甲殻類が多いと言われています。一般的には、アレルゲンとして考えにくい、リンゴ、桃、サクランボ、アボカド、栗、バナナによって、アレルギー反応が起こります。

食べて「数週間して症状が出る」こともある

後天性の食物アレルギーでは、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、皮膚のかゆみ、口内のイガイガ、呼吸困難、胸痛、腹痛など、食べてすぐに症状があらわれるものと、数時間から数週間後に症状があらわれる「遅延型アレルギー」が特徴です。

食べてからだいぶ経って、
(1)頭痛、
(2)めまい
(3)不安感
(4)倦怠感
(5)皮膚炎
などが起こります。時間が経過しているため、アレルギーの判断や食べ物の特定は難しく、そのため放置されることで、原因不明の体調不良に悩まされることがあります。

好物が「ある日突然、アレルゲン」に!

好物で頻繁に食べていたものがアレルゲンに変わるケースもあります。
(1)同じ食べ物を続けない
(2)甘いものを食べ過ぎない
(3)ストレスを溜めない
といった注意で、後天性アレルギーが予防できます。

どのような食物にアレルギー反応が出るかは予測できません。好きなものをこれからも安心して食べ続けるには、数日おきに食べるなど、ほどほどが大事です。