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今回は『あなたは「社会的時差ボケ」になっていないか?』をご紹介させて頂きます。

月曜のダルさは「時差ボケ」のせい?

平日は忙しいけど、せめて週末くらいは「たっぷり寝たい」と考える人は多いでしょう。「寝だめ」という言葉があるとおり、働きものの日本人は、休日にたくさん寝て疲れをとるという習慣の人が多いようです。

しかし、土日はよく寝て、ゆっくり休んだはずなのに、体調がすっきりしないことがあります。特に休み明けの月曜日は、体がダルかったり、頭がぼんやりして集中力がでなかったりなど、体の不調を感じることがありますか。それは「時差ボケ」のせいかもしれません。

「社会的」な時差ボケとは、いったい?

また、週末にしかできないからといって、寝る間を惜しんで遊びにいったり、テレビやDVDを観たり、スマホやゲームをしたり、と土日のたびに夜更かしをくり返すと、「時差ボケ」の症状があらわれるといいます。

海外に行ってもいないのに「時差ぼけ」とは妙な話に聞こえるでしょうが、いま「社会的時差ボケ」と呼ばれる症状を持つ人が増えています。

平日は比較的規則正しい生活をおくっていても、金曜日の夜から土日に「夜更かし」や「朝寝坊」をして活動の時間がずれると、体内時計と生活時間とのあいだにズレが生じ、「時差ボケ」のような症状を招くことがあります。それが「社会的時差ボケ」という症状です。

体内時計は「全身」にある

社会的時差ボケは、一般的な時差ボケと同じように、神経系の不調や頭痛など、直接的には次のような症状が特徴です。

・注意力の低下
・認識能力の低下
・集中力の低下
・感情制御の困難

また、くり返し行われることで、免疫力の低下(風邪などをひきやすい)、肥満・糖尿病・心臓病の発症リスクの上昇が心配されます。このような症状は、たった2日間夜更かしをしただけでも、社会(自然)と体のリズムが合わなくなって起こります。人間の体内時計は、脳のなかに1つあるわけではなく、全身にある約60兆の細胞1つ1つに独立して存在するといわれています。それらを脳にある中枢時計が制御しています。

ズレても「2時間」まで

体内時計は24時間のリズムを発振しています。私たちの体は地球の自転に合わせた24時間周期よって、体の基本的な働き(体温、血圧、ホルモン分泌など)が行われています。このリズムを「サーカディアンリズム(概日リズム)」といいます。

サーカディアンリズムを支えているのは、全身の細胞にある体内時計です。たった2日間夜更かしをしただけでも、このリズムは乱れてしまいます。なぜなら、私たちは地球の自転の合わせて動く生き物だからです。

さまざまな専門機関の研究によって、「社会的時差ボケ」は、普段の就寝時間よりも2時間以上夜更かしした場合に起こることが明らかになっています。「せめて週末くらい」と思うでしょうが、そのときは「2時間まで」と自分にルールを決めましょう。

平日、午後11時に寝ている人は、せめて午前1時までには眠るようにしましょう。朝6時に起きている人は、週末といえども午前8時には起きて太陽の光を浴びましょう。

「遊び」や「趣味」を楽しむには

人間は昼行性の動物です。昼間の太陽の光を浴びて、夜は光を浴びないことで、もっとも効率的な働きを行うことができます。私たちは自分の体は自分がよく知っている」などと言いながらも、実際は、心臓をはじめとする内臓の動きなど、体のほとんどの機能を自分の意志でコントロールすることができません。

ましてや体内時計(生体時計)を無視して体の機能を変更させることなどできない生き物です。どれほど体力に自信があっても、必ず、どこかのタイミングで体調不良となってあらわれます。

これから日も伸びて気温も高くなるため、つい夜更かしをしてしまいがちです。しかし、週末に遊びや趣味を楽しむには、健康でいるほうが楽しみは何倍にも膨らみます。月曜日から日曜日まで、地球の回転に合わせて過ごしてみてはどうでしょう。