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今回は『30代の皮膚にも出る「老人性イボ」とは?』をご紹介させて頂きます。
シミのようで「シミじゃない」
一般的に「イボ」というと、ウイルスが皮膚などに感染して起こるものを想像しますが、老人性イボは「紫外線の影響」によるものです。1~5㎜ほどの大きさで、茶色あるいは濃い茶色であることがほとんどです。
シミと思っている人が多いようですが、(1)触れてみると盛り上がっている、(2)表面が少しざらざらしているため、イボであることがわかります。シミではないため、塗り薬や美白剤のケアで改善することはありません。皮膚科で診療を受けましょう。
老人性イボは「老人でなくても」発生する
老人性イボは、「脂漏性角化症(しろうせいかっかしょう)」あるいは「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれます。皮膚の良性腫瘍ですが、そのまま放置していても悪性に変わることはありません。老化現象のひとつとも言える症状です。
年齢60代では約80%の人に、80代では約90%以上の人にあらわれています。できやすい箇所は、首・顔・腕・脇の下、足の付け根などで、年齢とともに増える傾向があります。老人性と呼ばれながらも、約20~30代の若い人にもあらわれることがあります。そのため、最近では「脂漏性角化症」という呼び名を使う医師が多いようです。
紫外線から「メラニン」が肌細胞を守る
人間の皮膚は、メラニン色素によって、紫外線によるDNAの破壊や皮膚癌の発生を防いでいます。メラニン色素は、皮膚の一番外側の表皮にあるメラノサイトが紫外線などの刺激を受けことで作られ、表皮にバリアを形成して、肌細胞が紫外線の刺激を受けないようにブロックします。
ところが、加齢によってお肌の新陳代謝が衰えた上に、長年に渡り紫外線を浴びることで、排除しきれないメラニンが少しずつ蓄積して残ってしまいます。やがて溜まったメラニンが突起してしまうのが「老人性イボ」です。
イボを治す「2つ」の治療
老人性イボの治療は、皮膚科で行う「液体窒素」と「レーザー治療」の2つが主な方法です。イボが発生した箇所などによって、治療方法を使い分けることがあります。
液体窒素
マイナス196℃の液体窒素を患部に押し当てて、低温火傷で焼きる冷凍凝固術です。保険が適用できるため、費用が比較的抑えられる治療です。
治療の際にはヒリヒリした強い痛みを感じます。炎症後色素沈着とよばれるシミができることがあるため、顔などを治療するときは、医師とよく相談することが大切です。
レーザー治療
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)でイボを削る治療です。自費診療のため、費用はかかりますが、根本治療であるため、顔の治療に適しています。局所麻酔を使用するので、痛みはありません。
ほとんどの場合、1回の照射できれいに取り除くことができます。レーザーを照射したあとは、約1~2週間で新しい皮膚が再生されます。