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今回は『母乳に「よい食べ物」とは?』をご紹介させて頂きます。

母乳育児は「いいこと」がいっぱい

母乳は赤ちゃんの成長に必要な栄養素を備えた「完全食」です。たんぱく質、脂質、炭水化物、ビタミン、ミネラルなどのエネルギーがバランスよく組み合わされています。さらに、免疫成分を含んでいるため、感染症、アレルギー、喘息などの予防にも効果があります。

厚生労働省やWHO(世界保健機関)が、できれば生後6ヶ月までは母乳で赤ちゃんを育てることを推奨しているのはそのためです。ほかにも、次のように母乳育児にはいくつものメリットがあります。

・親子の関わりが健やかに作られる
・赤ちゃんの豊かな味覚が育てられる
・オキシトシンが分泌され、ママの子宮収縮が進み母体回復が進む
・赤ちゃんのあごが強くなり、離乳食への移行がスムーズになる

よい母乳は「よい血液」から作られる

母乳は、授乳中のママの食べたものがそのまま影響します。そのため、ママは毎日の食事には気を使うでしょう。母乳の主原料は血液です。そのためママは、(1)血液の量を増やす、(2)血液の質をよくする食事を摂るように心がけることが大切です。

母乳を作るのは、おっぱいのなかの乳腺という器官です。女性は出産すると「プロラクチン」というホルモンが分泌され、乳腺のまわりの毛細血管に血液が多く入り込み、母乳がつくられます。

ところで、血液が主成分でありながら、母乳はなぜ白いのでしょうか。それは血液中の赤血球は取り込まず、白血球だけを取り込んでいるため、母乳は白いのです。

母乳のための「4つ」のポイント

母乳は「プロラクチン」と「オキシトシン」という2つの女性ホルモンの働きによって、血液が乳腺へ取り込まれ、「母乳」となって分泌されます。

そして母乳の90%は水分です。そのため、しっかりした母乳を作るには、「よい血液」と「十分な水分」が必要であることが分かります。食事によって母乳によい影響を与えるには、次の4つに気をつけた食生活が大切となるでしょう。

(1)血液の量を増やす
(2)血液を汚さない
(3)血液の流れをよくする
(4)水分をよく摂取する

血液の量を増やす

血液の量を増やすには、多くのエネルギーになる食べ物が必要です。すみやかにエネルギーになるのは炭水化物ですが、なかでも消化がよい「白米」がおすすめです。白米は、動物性たんぱく質のような脂質やコレステロールは含まれていないため、母乳の質をよくします。

血液を汚さない

母乳のためには和食を摂るのがよいと言いますが、それは血液の粘質を高めないためです。西洋料理は脂質が多くなりがちで、血液がドロドロになってしまうことがあります。実際、揚げ物や脂身の多い肉を食べたあとの母乳は、黄色っぽくドロッとしています。肉や魚は、鶏ささみ、豚の赤み、白身魚など、できるだけ脂質が少ないものを選ぶのがよいでしょう。

血液の流れをよくする

母乳の出方は血行に影響されるため、体を温めて血行をよくしておくことが必要です。体を温めるには「根菜」が手軽です。大根、にんじん、ごぼう、レンコン、イモ類、しょうがなどを食事に取り入れましょう。血液をサラサラにして、乳腺を広げ、母乳の詰まりを予防する効果も期待できます。また、食事のたびに、味噌汁やスープなど温かい汁ものを用意すると血液の流れはよくなります。

水分をよく摂取する

水分が不足すると母乳は出にくくなります。できるだけ温かい飲み物をこまめにとるようにしましょう。その際、コーヒーや紅茶はカフェインが含まれているのでなるべくなら控えます。授乳中のママは、1日に約2~3リットルの水分摂取が必要といわれます。飲み物だけでは大変ですので、汁物や果物などから摂取するよう心がけます。