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今回は『よく耳にする「ジェネリック医薬品」について…』をご紹介させて頂きます。

お財布に「やさしい」お薬

ジェネリック医薬品の存在を「知っている」という人がだいぶ増えてきました。テレビなどの広告宣伝の影響が大きいのでしょう。ジェネリック医薬品は、安価でお財布にやさしいというメリットが多くの人に知れ渡っているようです。

そもそもジェネリックは、「一般的な」という意味の言葉ですから、広く周知されることは大切です。そこで、価格以外についても確認しておきましょう。

新薬と「同じ効き目」のジェネリック

新薬を「先発医薬品」と呼ぶのに対して、ジェネリック医薬品は「後発医薬品」とも呼ばれます。ジェネリック医薬品は、新薬の特許期間が切れたあとに、

(1)新薬と同じ有効成分
(2)新薬と同じ方法と用量
(3)新薬と同じ効き目

で製造・販売される医薬品です。

この3つがそろっていることが条件です。新薬と同じ有効成分を同じ量を使って作られ、さらに安全性が確立されていることを厚生労働省が承認して、はじめて製造・販売することが許されます。

一方、新薬との違いは、薬の形状、色、味、添加物などです。たとえば薬を飲みやすくするために形や味を変える工夫ができます。しかし、いずれの場合も、薬の効き目や安全性には影響しない範囲です。

新薬同様「厳しい基準」をクリア

ジェネリック医薬品は、新薬と同じように、国が定める厳しい基準をクリアして製造されています。世間の一部では「純度の低い粗悪な原薬を使っているのではないか」と疑問視する声もあるようですが、そのような心配はいりません。

医薬品を製造・販売するには、「有効成分に関する試験」と「製剤化された医薬品に関する試験」をクリアすることが必要です。新薬はこの2つの試験をクリアします。ジェネリックは新薬と同じ方法・用量で製造するため、「製剤化された医薬品に関する試験」のみを実施します。

とは言っても、効き目などを確認するために、決まった時間内に溶け出す有効成分の量を調べる「溶出試験」や、血液に入る薬の速度と量が同じであるかを調べる「生物学的同等性試験」、温度や湿度などの違いで薬の品質に変化がないかを調べる「安定性試験」など、たくさんの試験をクリアして、ジェネリック医薬品は発売されています。

なぜ、価格が安いのか?

ジェネリック医薬品の価格が安いのは、品質が劣るからではなく、 研究開発費が新薬ほどかからないからです。

新薬の開発には約9~17年の期間と、1品目あたり約300億円の費用がかかるといわれています。 ジェネリック医薬品は、すでに効き目などが確認された成分を使用するため、期間は約3~5年、費用は1億円程度に収まるようです。

高齢化社会が進む日本は、国家予算における「医療費の膨張」が問題視されています。2016年9月、厚生労働省の発表によると、2015年度の医療費は前年度から3.8%増えてついに40兆円を越えています。

ジェネリック医薬品は医療費の抑制に効果があると期待され、厚生労働省は使用を推進しています。医療の質を落とすことなく、国民皆保険制度を今後も持続させるためには、ジェネリック医薬品の使用が求められるでしょう。

ジェネリックに変えるには?

現在ジェネリック医薬品は、すでに身近な薬として、全国で普及が進んでいます。処方してもらうには、担当医師に「ジェネリックでお願いできますか?」と相談するとよいでしょう。

一般的に、処方せんの「変更不可」欄に、「チェック」や「×」がついていなければ、ジェネリック医薬品に変更することができます。薬剤師に処方せんを手渡すときに、「ジェネリック医薬品にしたいのですが」と伝えましょう。