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今回は『今さらですが「基礎代謝」ってなに?』をご紹介させて頂きます。

「普通に生きている」ときのエネルギー

健康や美容をテーマにしたテレビ番組、ネットや雑誌の記事で、たびたび見かける「基礎代謝」。そもそも、ちゃんと理解してたかしら、と思ってみると微妙だったりします。「ダイエット成功の鍵は基礎代謝にあり」とか「基礎代謝を上げると太りにくい体になる」ということは知っていても、基礎代謝そのものは曖昧な知識だったりしませんか。

まず「代謝」とは、外から取り入れたエネルギーや栄養が体内で利用され、消費されることです。そして、基礎代謝とは、生命を維持するために消費する最低限必要なエネルギー(カロリー)のことをいいます。

人間は何もしないでじっとしていても、呼吸をして、心臓は血液を全身に送りだしています。ほかにも、体温調整・脳や内臓、神経の活動など、これらは私たちが生きていくうえでの必要最低限のエネルギーとして、生理的(自動的)に行われています。つまり、何もしなくても普通に生きていれば消費するエネルギーが「基礎代謝」です。

体内で「いちばん消費する」のはどこ?

人間が1日に消費する総カロリーのうち、約60~70%は基礎代謝に使われています。基礎代謝は、一般成人で、1日に女性で約1200キロカロリー、男性で約1500キロカロリーといわれています。もちろん個人差があり、年齢・性別・体格・体温・栄養状態によって異なります。その内訳を見ると、次のように意外なことが分かります。

(1)肝 臓:27%
(2)脳  :19%
(3)筋 肉:18%
(4)腎 臓:10%
(5)心 臓:7%
(6)その他:19%

肝臓が第1位で脳よりも多くのエネルギーを使い、そして大事な心臓は7%(少なっ!)という数字は正直びっくりです。基礎代謝は眠っているときは、約10%低下しています。また、基礎代謝は成長するにつれ高くなり、約16~18歳でピークを迎えます。そしてその後はなだらかに下降し、約40歳を過ぎると急激に低下します。

なぜ、基礎代謝が上がると太らないのか

ゴロゴロ寝ていても体が勝手にエネルギー(カロリー)を消費してくれるのが基礎代謝です。ということは、基礎代謝を上げれば、運動や食事制限に頼らなくてもカロリーを消費してくれる、という夢のような発想が「基礎代謝が上がると太らない」の仕組みです。「痩せやすく太りにくい体」という言葉がありますが、これは基礎代謝が高い体質ということです。

一方、基礎代謝が低いと体温が低くになり、食事制限しても太りやすい、疲れやすい、冷え性に困る、風邪をひきやすい、気分が落ち込みやすい、などの症状を引き起こすことがあります。

基礎代謝のアップは「食事改善」「半身浴」から

基礎代謝は、肝臓がもっとも消費量が多いことでもわかるように、内臓機能を高めることことが大事です。食事の改善からはじめてみましょう。食事をすると体は熱を生み出し、代謝量が増大します。内臓の活性化は、次のような心がけで変わります。

・1日3食、きちんと食べる
・卵、豆類などのタンパク質を多めに摂る
・野菜、海藻を積極的に摂取する
・アルコールはなるべく避ける
・ジュースやお菓子など糖質は摂りすぎない

また、「体温が上昇すると基礎代謝は上がる」といいます。人間の体は、常に一定の体温を保っていますが、基礎体温を保つことにも基礎代謝のエネルギーは使われています。つまり、体温が高い状態の人ほど基礎代謝のエネルギーは消費されています。いつもシャワーだけで済ませている人は、半身浴がおすすめです。血液の循環し、体がぽかぽか温まり、代謝がアップします。