糖尿病を引き起こすのは歯周病?!

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今回は『糖尿病を引き起こすのは歯周病?!』をご紹介させて頂きます。

いま健康に意識が高い人が話題にしているのは、意外な臓器が意外な病気に関係している話です。腸内細菌が心の安定に関係しているという「腸内フローラの話」はテレビでも新聞でもネットでも取り上げられています。
きょう紹介する話も「意外な組み合わせ」と感じるのではないでしょうか。「歯周病の人は糖尿病を引き起こしやすい」というのです。口の中の病気(歯周病)が、どうして血管と血液の病気(糖尿病)に関係するのでしょうか。

糖尿病の医師が自ら体験

歯周病を治して糖尿病を回避したのは、開業医で糖尿病専門医の西田亙医師です。西田医師はかつて体重92kgの糖尿病予備軍でした。そして、硬いものをかじると歯茎から血が出てくる重度の歯周病を併発していました。
西田医師は歯周病の治療に取り掛かり、14kgのダイエットに成功しました。そして血糖値も通常の値に戻ったのです。
糖尿病の医師が自ら歯周病を治して糖尿病を予防したのです。
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内科医は歯の病気を知らない、歯科医は内科疾患を知らない

歯周病と糖尿病の深いつながりについては、内科医や歯科医ですら知らないことが多いそうです。それは内科医と歯科医の連携が十分に取れていないからです。どういうことでしょうか。
歯周病は、歯と歯茎に間に入った細菌が増殖して炎症を起こす病気で、放置すると歯が抜けてしまいます。炎症を起こすのは炎症ホルモンという物質で、これが歯茎の傷口から血管の中に入ります。
糖尿病は、血液中のインスリンという物質が減ることで発症するのですが、この炎症ホルモンはインスリンの働きを弱めることが分かっているのです。つまり、歯周病→炎症ホルモン→血管→インスリンの弱体化→糖尿病――という流れです。
炎症ホルモンがインスリンを弱体化させることは内科医なら誰でも知っています。また歯周病で発生した炎症ホルモンが血液中に侵入することは、歯科医なら誰でも知っています。しかしその両方を知っている内科医と歯科医はごくごく少数なのです。だから「内科医と歯科医が連携できていないから、歯周病→糖尿病が周知されない」のです。

3大合併症に隠れていた

ただ、糖尿病患者の大半が歯周病を持っていることは分かっていました。また日本糖尿病学会の治療ガイドラインには、糖尿病の合併症として歯周病も挙がっています。それでもこれまで「糖尿病と歯周病の関係」が注目されて来なかったのは、糖尿病の合併症にはもっと恐ろしい病気があるからです。
それは、腎不全、失明、足の壊疽です。糖尿病の治療や研究では、この3大合併症がメインとなっていました。腎不全はすぐに命に関わりますし、失明や足の切断は生活の質を著しく落とします。それに比べると「歯周病くらい」という意識になってしまうのは当然といえば当然です。
しかし「糖尿病が歯周病を引き起こす」だけでなく「歯周病が糖尿病を引き起こす」ことが分かり、にわかに「糖尿病を予防するには歯医者に行け!」となったのです。
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まとめ、唾液がカギを握る

冒頭で紹介した西田医師は、食後にフロスを行い、定期的に歯科医に通って歯石を取るようにして、歯周病を克服しました。これがダイエットに役立ったというのです。というのも、歯をキレイにすると「汚したくない」という意識が強くなり、間食が減ったのです。また歯周病が改善すると体調が良くなり、スポーツ意欲が高まりこれも減量につながりました。まさに好循環にはまりました。
歯周病の治療には、唾液を多く出すためにマッサージを行うのですが、これも健康に大きく貢献します。唾液は歯周病の菌が血管内に入り込むことを防止したり、菌の力を弱めたりします。唾液が増えると血糖値が下がったり、高血圧が解消したりすることも分かっています。
人が生きるためには、食べなければなりません。食べ物は口から入ります。その口が全身の健康にこれだけ大きく関わっていることは、当然といえば当然なのかもしれませんね。

(参考資料:日本経済新聞「糖尿病を予防したければ歯医者へ行け」)

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