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今回は『身長は遺伝します!でも食事と運動で改善できる!?』をご紹介させて頂きます。

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背が高い両親を持つ人は、背が高いような気がしませんか? その「感じ」は正しくて、身長は遺伝するのです。しかし一方で、背が低い家系を持つ人に、背が高い人がいるのも事実です。つまり、身長は「遺伝だけで決まらない」ともいえるのです。
そこで「そもそも遺伝とは」について解説し、さらに「身長を伸ばすには食べ物が重要」というお話も紹介します。

身長と遺伝の有名な公式

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まず紹介したいのは「身長の公式」です。次の計算をしてみてください。
◆あなたが男性の場合=(父親の身長+母親の身長+13)÷2
◆あなたが女性の場合=(父親の身長+母親の身長-13)÷2
これはかなりの確率であてはまるのではないでしょうか。この公式は「父母の身長が子供の身長に影響する」ことを意味していて、これが「身長は遺伝によるところが大きい」ということです。
専門家たちの見解では、身長は80%の確率で遺伝すると考えられています。

体が「パソコン」だとすると細胞は「USB」で、DNAは「エクセル」

そもそも遺伝とはなんなのでしょうか。遺伝とクローンは何が違うのでしょうか。遺伝の最大の特徴は「似たものができるが、まったく同じではない」ということです。一方のクローン技術は、まったく同じものを作ることを目指しています。
つまり「この子は親の遺伝を強く受け継いでいる」と言った場合、「親のコピー人間」という意味ではなく、「ものすごく親に似ている人」という意味になります。

では次に、親の特徴が子供に遺伝するメカニズムをみてみます。「パソコン」と「USBメモリー」と「エクセルの表」を使って説明してみます。
Aさんが自分のパソコンで、エクセルの表を作ったとします。Aさんはそのエクセルの表をUSBメモリーにコピーして、Bさんに渡しました。Bさんが自分のパソコンにUSBメモリーを差し込み、その中のエクセルの表を立ち上げると、Aさんが作ったものと同じ表が現れます。これで「遺伝完了」です。

遺伝は完了しましたが、この状態でもAさんのパソコンとBさんのパソコンは異なるパソコンです。USBメモリーを使って何度も何度もデータのやり取りをすると、AさんのパソコンとBさんのパソコンはとてもよく似てきますが、それでも別のパソコンです。これが「遺伝はしてもまったく同じ人間になるわけではない」という意味です。
パソコンが「人の体」だとすると、USBメモリーが「細胞」で、エクセルの表が「DNA」です。親の「細胞」を子供が引き継ぐことによって「似た性質」になるのですが、それは「細胞」内の「DNA」が子供に移ったことで生じる現象なのです。
そしてDNAの中には「身長が高いDNA」と「身長が低いDNA」が存在するので、身長は遺伝するのです。

残りの20%にかけろ! 食べ物で身長は伸びる

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先ほど「身長が遺伝する確率は80%とみられている」と述べました。つまり残りの20%は、遺伝以外の要素で決まるのです。「もっと身長を伸ばしたい」と思っている人は「20%しかないのかあ」と思うかもしれませんが、しかし「20%」はあきらめるにはもったいない大きな数字といえます。
身長を伸ばすには、食生活の改善と運動が効果的であるとされています。

カルシウムではなくタンパク質を

「身長が伸びる」とは「骨が伸びる」ということです。このように聞くと「じゃあカルシウムを大量に摂ればいいのか!」と考える人は少なくないと思います。しかしそれは30点の解答です。カルシウムは骨に重要な影響を及ぼしますが、骨を伸ばす「材料」にはなりません。
骨の材料はタンパク質です。ではカルシウムは骨に何をしているのかというと、骨を固くしているのです。
砂の城を想像してみてください。砂の城はもろいので、大きな城を作ろうとすれば、水をかける必要があります。カルシウムは、砂の城における「水」の働きをします。しかし水をかけても砂の城は大きくなりません。砂の城を大きくするためには、材料である砂を大量に集めてこなければなりません。タンパク質は砂なのです。骨の材料はタンパク質なのです。

牛乳は「△」、マグロ・チーズ・牛肉が「◎」

カルシウムといえば牛乳ですが、牛乳にはタンパク質がそれほど含まれていません。タンパク質が多く含まれている食材は、マグロ、チーズ、牛肉です。食材とタンパク質の量の違いは次の通りです。

食材タンパク質の量(100g中)
マグロ28g
チーズ22g
牛肉20g
牛乳3g
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ジャンプ、体反らし、そして睡眠

タンパク質を多く摂るだけでは、骨はあまり伸びません。骨をグンッと伸ばすには、運動が欠かせません。バスケットやバレーボールの選手に背が高い人が多いのは、ジャンプをすることが身長を伸ばすのに効果的だからです。ただ、ジャンプだけでは足りず、体を反らしたり延ばしたりする運動を加えると、骨は成長しやすいといわれています。
また「寝る子は育つ」という格言は、科学的に証明されています。骨の成長を促す成長ホルモンは、夜寝ているときに働くのです。そして日中の運動は、成長ホルモンの量を増やす働きがあるのです。なので、昼間走り回って成長ホルモンを増やし、夜にぐっすり眠って成長ホルモンを活発にすると、身長が伸びるのです。
身長は遺伝によるところが非常に大きいのですが、日常生活を見直すことでも伸ばすことができるのです。