今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『コーヒーによる空腹感の制御』をご紹介させて頂きます。

夏を前に自分の体形を整えるのに最適な飲み物にコーヒーがあります。

皆さんご存知の通り、コーヒーにはカフェインが多く含まれています。カフェインと聞くと昔の良くないイメージを持っていらっしゃる方もおられるかもしれませんが、このカフェインが無駄な間食や暴食を抑えてくれるのです。

端的に言うとカフェインは空腹感を抑える働きがあるのです。
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空腹感とは…

では、私たちは空腹感をどのように感じるのでしょうか。

そもそも私たちの体を構成している細胞たちがエネルギーを作り出すことで、私たちは運動や思考ができています。この細胞がエネルギーを作り出すための材料となっているものは糖なのです。私たちの体は、体の中で糖が過不足しないように糖の量をうまくコントロールする機能が働いています。光合成ができない私たち人間は、糖の不足を食べ物から補充しなければなりません。
この食事をとりなさいという信号が出ると、私たちは空腹感を覚えるのです。

そして、糖の不足は、脳が血糖値を読み取ることで認識されます。

つまり、この血糖値をうまくコントロールすることができれば、私たちは空腹感も操作できます。余分に食べ物を食べてしまうことを未然に防ぐことにつながります。
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カフェインの作用

ではカフェインは血糖値に対してどのように働くのでしょうか。

カフェイン含有飲料は言わずと知れた眠気覚ましにはもってこいの飲料です。
それはカフェインの働きの一つに交感神経を興奮させる働きがあるからです。
交感神経とは、副交感神経とともに自律神経として、運動や、消化管活動や睡眠といった様々な身体活動を制御しています。この交感神経を刺激することで、私たちは覚醒や胃腸の働きの抑制、心拍数の増加、血管の収縮といった、私たちがより活動しやすい体の状態を作り上げることができるのです。
よってカフェイン摂取から交感神経の興奮が起き、目が覚めるという現象が起きているわけです。

このようなカフェインの交感神経を興奮させる働きの中で、今回注目したいのは、カフェインがグルカゴンというホルモンの分泌を促していることです。

グルカゴンの働き

グルカゴンとは、インスリンとともに血糖値の調節を行っているホルモンです。

グルカゴンは血糖値が下がったなと脳が判断したときに血中に分泌され、このホルモンの分泌がきっかけとなって、肝臓で蓄えられていた糖を体の中で利用したり、脂肪組織で蓄えられていた脂肪酸(糖と同様にエネルギー源)を体の中で利用したりする反応が起きるのです。

グルカゴンによって、私たちは体に貯蓄していた糖を血中に入れ、自らの血糖値を上げることができるのです。
このようにしてカフェインをとることで血糖値が上昇し、結果として空腹感が抑えられることが分かりました。
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コーヒーは体良い!?

本題から逸れますが、コーヒーにはニコチン酸という物質も含まれています。
このビタミンに分類されるニコチン酸は、血中のコレステロール値を下げたり、中性脂肪を低下させたりと体形維持には最適の効果を持っています。

コーヒーは健康的な飲み物であるようです。
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コーヒー飲みすぎ注意

しかしながら、コーヒーの摂取において気をつけなければならないこともあります。
コーヒーのカフェインを飲みすぎると私たちはカフェインに耐性がついてしまうということです。カフェインの耐性がついてしまうとせっかくカフェインを飲んでも交感神経がうまく興奮せず、結果として望んでいたような血糖値の上昇やほかの働きが見られなくなってしまいます。
したがって、コーヒーは適度に1日3~5杯程度飲む必要があります。また全日本コーヒー協会によると、カフェイン摂取からカフェインが脳に到達するまでに30分かかると考えられています。
それを踏まえると、食事の30分前にコーヒーを飲み、食事時に空腹感を抑えることが最善となってきます。

苦なく楽しくコーヒーを飲んで、健康的な体を手に入れましょう。