花粉症は花粉で退治?!

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『花粉症は花粉で退治』をご紹介させて頂きます。

いま、花粉症を治すために花粉を投与する治療が注目を集めています。花粉エキスを使った「舌下免疫療法」です。

従来のいわゆる「花粉症の薬」と呼ばれているものは、鼻水やかゆみといった症状を抑えるものが主流です。こうした薬は花粉症の原因を除去しないので、薬をやめたら再発したり、もっと強い薬が必要になったりします。
これに対し花粉エキスの舌下免疫療法は、完全治癒を目指し、実際に完治した人もいます。また完治まで達しなくても、治療を受けた8割の患者が「効果がある」と感じたという報告があります。2014年には、医療保険の対象になり、より身近な治療になりました。
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舌下免疫療法とは・・

治療法は「簡単」であり「大変」です。
液体状の「花粉のエキス」を舌の上に垂らし、2分程待ちます。味は、甘酸っぱいです。その後、飲み込みます。これだけです。通院の必要もありません。1日2分で終わります。
しかしこれを少なくとも2年間、毎日行う必要があります。花粉症の症状が出ていないときも行わなければならないのです。

インフルエンザの予防法と似ています。インフルエンザの予防接種は、インフルエンザウイルスを体内に入れています。いずれも「毒をもって毒を制す」ような治療法ですが、メカニズムはこうです。
花粉症は、体に取り込まれた花粉に対し、体が過剰に反応してしまうことで生じます。花粉は人の体に害のない物質ですが、体が「とんでもない毒だ」と誤って認識してしまうのです。それで、くしゃみや鼻水を出して、花粉を体の外に排出しようとしているのです。

そこで「花粉のエキス」を使って「体をだます」のです。これを減感作療法(げん・かんさ・りょうほう)といいます。「感作(かんさ)」とは「刺激に対する感じやすさ」という意味です。「花粉のエキス」を毎日飲みこむことによって、体に「花粉は大した刺激じゃない」ということを覚え込ませるのです。こうして、花粉に対する感じやすさを減らすのです。
こうして「減感作」に成功すると、本物の花粉が入って来ても、体は「大した問題はないね」と判断し、くしゃみや鼻水を出すことがなくなるのです。
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花粉症を引き起こす植物

花粉症を引き起こす植物は、日本にはなんと60種類もあります。スギ、ヒノキ、ブタクサが3大植物でしょうか。そのほか、シラカンバ、カモガヤ、ハンノキ、イネ、オオアワガエリなどがあります。
症状は、鼻水、くしゃみのほか、目のかゆみ、充血、涙が代表的です。悪化すると口の中がかゆくなったり腫れたりすることもあります。
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花粉が鼻水やくしゃみを起こしているのではありません!

花粉症の症状を起こしているのは、患者自身の細胞が作り出すヒスタミンという物質です。花粉は、ヒスタミンを分泌させるきっかけになってしまうのです。
ヒスタミンは、適量に分泌されていれば体を守る物質です。ところが誤って大量に分泌されると、最悪ショック死することがあります。それをアナフィラキシーショックといいます。
花粉症ではそこまでの症状を起こすことはありませんが、ヒスタミンの過剰分泌によって、人に不快な症状を引き起こすメカニズムは、花粉症アナフィラキシーショックも同じです。
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花粉症を予防するための生活術

①花粉が多い日は外出しない
②帽子、メガネ、マスク、マフラーで完全防備
③玄関で防御
④帰宅後すぐに洗顔、うがい
⑤窓を閉める
⑥いつも掃除
⑦布団を外に干さない
⑧風呂、シャワー
⑨空気清浄器
いずれも生活に大きな負担をかける内容ですが、花粉症が起きるのは限られた期間ですので、こうした行動の徹底を心掛けてみてください。

最後に「花粉症にまつわる数字」を紹介します。
●国内の花粉症の患者数は2000万人に達するといわれています。5~6人に1人がかかっている計算です。
花粉症は紀元前1500年ごろの古代エジプト時代の文献にも登場します。
●日本で「花粉症」が初めて報告されたのは、1961年でした。原因物質は、ブタクサの花粉でした。「花粉症といえば」のスギは2着で、1964年の発見でした。
花粉症の治療にかかる医療費は年間約2900億円です。「あの新国立競技場」を毎年建設できる金額です。
花粉症によって働く人のパフォーマンスが低下し、その経済損失は年間約700億円に達します。

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