今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『卵活』をご紹介させて頂きます。

産みたいときに産めるように

流行語に選ばれるほど「妊活」という言葉が一般化してきました。妊娠についての知識を学んだり、自然妊娠しやすいための体づくりをしたり。妊娠のための前向きな活動は、人生プランを積極的に考える女性が増えていることの表れでしょう。

結婚に年齢制限はありませんが、妊娠は35歳をすぎたあたりから、自然妊娠の確率がゆるやかに低下します。20代で80%、30代前半で60%、35歳以降で50%の確率という数字もあります。世間では「35歳以降=卵子の老化」と言われますが、実際には38歳前後が変わり目のようです。

卵活

妊娠は、女性だけの問題ではなく、パートナーといっしょに考え行うものです。とは言っても、妊娠は女性にとって大きな出来事です。いまは子供のことを考えていなくても、将来を見すえて、産みたいときに産めるよう準備はしておきたいでしょう。

女性メインではじめる妊娠活動「卵活」

妊活後、約70%の女性が子供に恵まれたというデータがあります。そこでさらに、将来の不妊リスクにそなえて注目されているのが「卵活」です。

メディアによると、卵活は「若いうちに健康で元気な卵子を凍結保存すること」と報じられています。これは卵活における重要なプロセスの1つですが、実際はそれだけでなく、卵子の質を高めながら妊娠の確率アップをめざす活動です。

現在、第1子を出産した女性の5人に1人が35歳以上といわれています。晩産化がすすむなか、不妊・2人目不妊の不安を抱える人は増えています。卵活は、言ってみれば、将来のために女性メインではじめる妊活と捉えてよいかもしれません。

卵活

卵子の質を上げる3つの心がけ

卵活では、卵子の質を高めるために「ミトコンドリア」がキーワードです。
体にエネルギーを作りだす役目のミトコンドリアは卵子に多く含まれ、卵子の健康を支えるのがミトコンドリアの働きといわれています。
ミトコンドリアが増えれば卵子は若返るともいいます。つまり、ミトコンドリアの数が増え、その働きが活発であればあるほど卵巣機能は向上し、質の高い卵子に成長するのです。
自分でできる方法があります。次の3つを心がけましょう。

(1)体を温める
ミトコンドリアは温かい環境で活性化します。日ごろから体をよく温めることで、卵巣の血流がよくなり、卵子の質によい影響をあたえます。ですから、冷たいものはとり過ぎないよう気をつけましょう。

(2)野菜・果物・豆類が多めの食生活
ミトコンドリアは、カリウムによって活性化します。カリウムは野菜・果物・豆類に多く含まれています。これらをたくさん取り入れるようにしましょう。そのうえ、野菜・果物は抗酸化作用を持っていますので、卵子の老化を防ぐ働きもあります。

(3)ウォーキング、ヨガなどの有酸素運動
ミトコンドリアの数を増やす方法として有効なのが「有酸素運動」といわれます。ジョギング、ウォーキング、サイクリングなどです。ミトコンドリアは酸素によって活性化します。なかなか運動できない人は、ヨガはいかがでしょう。あるいは、こまめに深呼吸するだけでも効果はあるかもしれません。

卵活

「妊活」と「卵活」、その大きな違い

妊活と卵活、とてもよく似ていますが、大きな違いは「若いときの卵子を凍結保存する」という選択肢を活かすかどうかです。卵子の保存で、あせらずに妊活ができるというメリットはあります。年齢のリミットにあまりしばられず、実年齢よりも妊娠の確率アップが期待できます。
新しい医療ですので、卵子凍結はまだ費用が高めです。
保険適用外のため、約70万円〜100万円かかります。そして卵子1つに年間1万円ほどの凍結保管料がかかるようです。
健康な卵子を保存しても、必ず妊娠できる保証はありませんから、決断に悩むところでしょう。結論を急ぎすぎず、婦人科医師に相談する第一歩と考えてはいかがでしょうか。