うつ病と間違えやすい…副腎疲労症候群とは?

今注目が集まっている医療や健康情報を病院検索ホスピタが厳選して分かりやすくお届け! 今回は『副腎疲労症候群について』をご紹介させて頂きます。

仕事が多忙を極め、睡眠もまともに取れず、上司からのプレッシャーに押しつぶされそうだ。ある朝目覚めると、起き上がることができない。「起きなきゃ」「仕事に行かなくては」と必死に思っても、ベッドから出られない。
――こうしたシチュエーションと、症状を聞くと、つい「うつ病では?」と疑ってしまうのではないだろうか。しかし最近、うつ病でないのに、うつ病に似た症状が出る病気が注目されている。

副腎疲労症候群だ。

副腎疲労症候群とは

人は多少のストレスを受けても、すぐに体調不良をきたすことはない。それは人には、ストレスに耐える力が備わっているからだ。この力を「ストレス耐性」という。副腎は、ストレス耐性に関わる臓器だ。副腎は、腎臓の上に被さるように乗っている。ドングリの形状に似ていて、腎臓が「ドングリ本体」で、副腎は「ドングリの傘」だ。

ストレスは脳で感じる。ストレスを感じた脳は、副腎刺激ホルモンを出す。副腎刺激ホルモンはその名の通り、副腎を刺激する。刺激を受けた副腎は、抗ストレスホルモンを出す。まとめると、
ストレス→脳→副腎刺激ホルモン→副腎を刺激→抗ストレスホルモン
という流れだ。

抗ストレスホルモンは、「ストレスに抗(あらが)ってくれるホルモン」だ。副腎が抗ストレスホルモンを出すことで、人が受けるストレスは軽減される。なので、副腎が疲労すると、抗ストレスホルモンが出ず、人はストレスに負けてしまうのだ。
抗ストレスホルモンは複数あり、副腎が出す抗ストレスホルモンを「コルチゾール」という。

それでは、なぜ副腎が疲労するのだろうか。ひとつ目の理由が、ビタミンC不足だ。副腎は、血液に含まれるビタミンCの150倍の濃度のビタミンCを必要とする。食生活が乱れ、ビタミンCが不足すると、副腎が障害されると考えられている。

また、ストレスと闘う副腎も、ストレスによって傷つくことが分かっている。特に生活のリズムが崩れることによるストレスの影響を受けやすい。副腎が最も多くコルチゾールを出すのは午前8時ごろ。その後、徐々に減り、夜にはほとんど出さなくなる。それでも体に支障をきたさないのは、一般的に、眠っている間はストレスを受けることが少ないため、コルチゾールを必要としないからだ。しかし睡眠時間が短くなったり不規則になったりすると、副腎の働きが乱れると考えられる。

副腎疲労症候群は、まだ不明なところが多く、医者にかかってもすぐに診断が下らないことがあるという。というのも抗ストレスホルモン「コルチゾール」は、血中に含まれるため、血液検査でも「多い」「少ない」が分かることになっているのだが、本当は異常があっても、検査結果で「正常値」と出てきてしまうことがあるからだ。

コルチゾールをより厳格に測定するには、唾液を調べる必要がある。しかし、副腎疲労症候群の治療で、唾液検査を行うことは、まだ医療保険の適用を受けていない。費用がかかる自由診療で行うしかない。

副腎疲労症候群では、うつ病に似た症状のほかに、低血圧も頻繁に発生する。それは、副腎は、血圧を上げるホルモン「アルドステロン」も出しているからだ。
健康な人でも、急に立ち上がるとめまいがすることがある。これはリラックスした状態から急に動作を始めたため、血圧が低下したためだ。しかし大抵は数秒から数十秒でめまいはなくなる。これは、副腎から「アルドステロン」が出て、低下した血圧を正常値にまで高めてくれるからだ。

副腎疲労症候群の治療とチェックリスト

副腎疲労症候群の治療は、食事療法、栄養療法、ストレス軽減、薬物ホルモンの投与がある。治療期間は2~6カ月といわれている。
最後に、副腎疲労症候群のチェックリストを紹介する。
うつ病と診断された
□毎日の生活がつらい
□朝、目覚めているのに起き上がれない
□疲れやすい
□立ちくらみ、めまいが頻発する
□最近、花粉症になった
□楽しくない
□最近、些細なことで怒るようになった
□物忘れが多くなった
□仕事で注意されることが増えた

多くのチェックが付けば、副腎疲労症候群の可能性が高まるのだが、「チェックが○個以上付いたら確定」というものではない。うつ病の治療を開始したが改善しない場合、医師にこのチェック表の結果を見せ、「副腎疲労症候群の疑いはないでしょうか」と相談するとよいだろう。

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