「会沢産婦人科」は父が1977年にこの地に開業し、2005年に私が院長を引き継ぎました。
現在、医院に来られている患者さんは、大和市在住の人が6~7割、相模原市や町田市の人が3~4割となっています。
妊娠するとほかの体の部分にも影響が出ます。つわりで吐いたり、胃腸が弱くなるなど生理的な変化で起こる症状も多いのですが、だからと言って、何でも妊娠のせいにして放置しておくわけにはいきません。何か別の病気が隠れている可能性もあるので、状況を正しくお伝えして必要に応じて内科などの受診を促すようにしています。
お産は本当に十人十色で、教科書通りにはいかないものです。診断の基準を念頭に置きつつ、状況判断することが一番苦慮する点かもしれません。昔の人は「三日三晩寝ずに産んだ」なんて話をしますが、陣痛が起こらないのも、陣痛が起こっても生まれてこないのも何らかの理由があるからです。そこで自然分娩にこだわって、赤ちゃんもお母さんも危険にさらすようなことになれば本末転倒です。自然分娩でいくのか、陣痛促進剤を使うのか、帝王切開にするのか、無痛分娩を選択するのか、その見極めが重要で、そこで役立つのがこれまでの経験だと思っています。
陣痛を経験するということは特別なことで、男の人がどうあがいても経験できるものではありません。胎動を感じ自分の子が生きているということを自身で感じ、「会いたい!」と思う気持ちで辛い痛みを乗り越えたからこそ、母親は強く、子どもへの愛情はより深いものになると感じています。もちろん必要な場合やご希望があれば、無痛分娩や陣痛促進剤などを使用することもありますが、8割5分が自然分娩を選んでいます。