子宮膣部びらん 下平式高周波凝固法
子宮膣部びらん(以下、びらん)は、子宮の入り口の赤く見える部分のことで、子宮頚部(子宮の入り口部分)の内側を覆っている子宮頚管粘膜というものが外に向かって広がってきて生じたものです。本来、病的なものではなく女性ホルモンが活発な時期に多く見られる生理的な状態と考えられますが、その程度は生まれつき人によって違い、ほとんどびらんがない人から、子宮入り口全体がびらんの人までいろいろです。びらんは子宮ガンではありませんから、検診などでびらんと診断されてもあわてることはありませんが、びらんの部分は円柱上皮という薄い皮膚で覆われているだけなので、炎症や不正出血を起こしやすいといえます。また、この円柱上皮は、もともと粘液を分泌する組織なので、びらん面が広いとそれだけ分泌物が増え、いつもおりものが多い状態になります。おりものが多くて婦人科で検査や膣洗浄などの治療をしてもなかなか良くならない、あるいは良くなってもすぐまた再発する人は、広範囲のびらんが原因かもしれません。
びらんは、膣洗浄や薬では治りません。それらで症状は一時的に良くなりますが、またすぐ再発します。一時的にではなく、きちんと治すには手術が必要になります。手術といっても、何日も入院したり、おなかを切ったりする必要はなく、日帰りでできる手術です。(下平式高周波凝固法→後で詳しくご説明します)
ただし、びらんがあることがそのまま手術を必要とすることにはなりません。上に書いたように、もともと生理的なものですから、それがあることによる不都合さえなければ、あわてて治療する必要はありません。
手術が勧められるのは、びらんがあることによっておりものが多くて悩んでいる方、不正出血がしばしばある方です。細菌感染や性感染症にかかりやすく、びらんの程度が強い場合も同様です。
また、ガン検診で、軽度もしくは中等度の異形成があるといわれた場合も、この手術により異常な部分を取り除くことができます。異形成のごく初期の段階で治療することにより、その後、それらの細胞がガン化するのを防ぐことができると考えられます。
下平式高周波凝固法
びらんの治療法としては、以前は薬物や電気による焼灼法、冷凍凝固法などがおこなわれていましたが、いずれも再発しやすく完全な治療とはいえませんでした。下平式高周波凝固法は、これらの方法と異なり、子宮膣部びらんと子宮頸ガンについて研究した故下平和夫博士(下平レディスクリニック前院長)が子宮頸ガン予防のために考案・完成させた、ほぼ完璧なびらんの治療法です。
・電気を用いますが、低周波(電灯の電気)と違い、絶対に感電しません。
・手術は約10分で終了します。
・手術は局所麻酔および笑気麻酔でおこないます。痛みはほぼ全く感じません。知らない間に終わっていることがほとんどです。
・ 術後、当日はまっすぐに帰宅し自宅で安静にしてください。翌日から日常の生活に戻り、家事や出勤が可能ですが、以下のことは医師の許可があるまで約4~6週間はできませんので、お気をつけください。 セックス、入浴(シャワーは翌日から可能)、激しい運動、自転車・バイク、水泳、温泉、旅行など。忙しく立ち回り動き回るのも好ましくありません。不正出血が増えます。
・手術は月経直後に行うのが理想です。予約はなるべく、月経終了後5日以内になるようにしてください。
費用は4,3000円(税込み45,150円)です。この中には次のものが含まれます。
手術費、麻酔費、内服薬(鎮痛剤、抗生物質)
膣座薬30日分
酸素吸入、血中酸素濃度モニターその他検査
室料