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よしおか内科クリニック

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慢性咳嗽(せき)
長く続く、治療しても良くならない咳

慢性咳嗽の原因はいろいろとあります
咳の症状だけが長く続いて困ることがあります。このような慢性咳嗽の原因には、慢性気道感染症、慢性気管支炎などの気道の感染以外にも、気管支喘息、胃液の食道への逆流、鼻水が喉の方に落ち続ける(後鼻漏)、気管内腫瘍、ある種類の血圧を下げる薬の使用、誤嚥、など、たくさんあります。

これらの原因中で気管支喘息の1亜型が注目されてきました

それらの原因の中で、最近注目されているのが、気道の炎症が原因であるため気管支喘息の一亜型と考えられる、
cough variant asthma(CVA)です。

CVAの咳嗽の特徴は?
CVAの咳嗽には次のような特徴があります。
  1. 感冒を契機とすることが多い
  2. 1ヶ月以上も持続する
  3. 典型的な気管支喘息の症状である、喘鳴(ぜいぜい)・呼吸困難は伴わない
  4. 聴診器で呼吸音を聞いても異常がない
  5. 肺機能検査でも正常
  6. アレルギー素因を有する事が多い
  7. 咳嗽は深夜から早朝にかけて多く、夜寝る時に多い。
  8. 冷気や運動・会話・エアコン・たばこの煙・アルコールなどで誘発され、咳を出すと頻発し、咳の終末に嘔吐を伴うほどであるが、止まるとしばらくの間は出現しなくなる
CVAの治療は?
通常2週間以上持続する咳嗽があり、上記のような特徴に当てはまる場合には、cough variant asthmaを疑って治療を始める価値はあると思います。
当院では次のような特徴に合わせて治療を行っています。
  1. 一般の鎮咳薬では咳を抑えにくいことがある。
  2. 気管支喘息の治療で使用される気管支拡張剤が有効な事がありますが、咳嗽の消失に至らないことも多い。
  3. 抗アレルギー薬や、喘息予防薬が気道の炎症を抑え、有効なことが多い。
  4. 吸入ステロイドは、炎症を抑える作用が強くかつ安全性が高いため、咳嗽がおさまらない場合には積極的に使用する価値のある治療方法です。