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医療法人 大生會
さくま診療所

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低用量ピル(OC)について

OCは、世界で約7.2%(約1億人)の女性に服用されています。ドイツでは58.6%、フランスでは35.6%など、多くの女性に使用されているという調査結果が出ていますが、日本での服用率は1%といわれています。
これは、日本ではピルを使用することに対し、まだまだ間違った認識を持つ人が多いためだと思われます。
そこでこのコーナーでは、ご覧の方にQ&A形式で簡単にOCについて説明し、OCを生活に取り入れていただいて、ライフスタイルをより健康で快適なものにしていただきたいと思います。


Q.低用量ピル(OC)とはどのようなものですか?
ピルは、避妊を目的とした内服薬で、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲストーゲン)という2種類の女性ホルモンが含まれています。OCとは、従来のピル(中~高用量ピル)の副作用を減らすために、ホルモン量を限りなく少なくしたものを言います。
その作用は主に以下の3つです。
・排卵を抑制する。
・子宮内膜を変化させる。(受精卵が着床しにくい状態にする。)
・子宮頸管粘液を変化させる。(精子が子宮内に浸入しにくい状態にする。)

Q.副作用があると聞きますが?

現在、世界で使用されているOCには、重篤な副作用の心配はありません。まれに胃の不快感や痛み、胸の張りがでる方もおられますが、通常1ヶ月程度で消失します。また血栓症の発生率が高くなる可能性があるとも言われていますが、ピルほど安全性が立証されている薬はなく、その安全性は風邪薬以上だとも言われています。
ただ、服用を控えなくてはいけない場合もあります。
・乳癌、子宮体癌、子宮頸癌、子宮筋腫およびその疑いのある人
・血栓性静脈炎、肺塞栓症、脳血管障害、冠動脈疾患にかかっている人、または、これらの病気にかかったことのある人
・35歳以上で1日15本以上たばこを吸う人
などです。

Q.避妊以外にもメリットがありますか?
上記の副作用とは逆に、OCによるメリットを「副効用」と呼びます。いくつかあげてみると、
・月経が順調になる
・月経痛が減る、または無くなる
・月経量が減る
・にきびや多毛が改善される
・子宮内膜症などの予防や治療になる
などです。

Q.飲むのが大変に思えるのですが?
OCは1日1錠を大体同じ時間に飲む必要があります。
最初は月経の1日目から飲みはじめて、21日間薬を飲んで7日間休む、これを1サイクルとし、繰り返します。(7日間休む間プラセボという偽薬を服用するタイプもあります。)
飲み忘れた場合は、2日以上なら一度月経を待ってまた新しいシートから始めます。1日なら気付いてから飲んでも大丈夫です。
実際、さくま診療所のアンケートでは、ほとんどの人が「思ったよりも面倒でない」と答えておられ、さらにその大半が「メリットのほうが多く、今後も継続したい。」と答えています。

Q.性感染症を予防する効果もありますか?
残念ながらOCでは性感染症を予防することは不可能です。性感染症を予防にはコンドームを使用することが重要です。避妊のためにピルを使用し、性感染症の予防のためにはコンドームを使用することをダブルダッチメソッドと呼んでいます。ご自身の心と体は、ご自身で守りましょう。