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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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透析とかゆみ

また、痒みの話ですが、透析患者さんの痒みというと尿毒素でろ過透析なら取れるというほどやはり単純ではないです。皮膚に異常がなく、皮膚科で診断しない場合は尿毒素のせいであるとどの教科書にも書いてあるので、すぐにそういう結論になります。いままでも皮膚科に相談しても発疹がないと透析が理由になることが多かったです。実際は、ろ過透析になるとかなり減りますが、それでもまだ痒みがのこるかたもいらっしゃいます。とくに、この時期かゆくなる患者さんが増えています。
そんな状況で、いろいろ考えました。ブタクサ、稲の花粉による痒みもまじっていますね。内科の外来のほうにも痒みの患者さんは増えていて、マイコプラズマの気管支炎以外にも、アレルギー喘息の方も増えてきました。また、季節の変わり目なので、コリン作動性蕁麻疹という形も増えてきて、これは治療がやっかいです。温まるとかゆくなる、特に寝てから布団かぶるとかゆくなるようです。汗をかくような状況になるとかゆくなります。パウダーなどをつかって汗を早めに中和してしまうのもいいかもしれません。乾燥肌でもかゆくなりますが、皮膚が薄く、神経が過敏になっていることが見るとわかるので、診断はできます。パウダーだと逆効果かもしれません。また金属アレルギーの方もいますので、これも確かめる必要があります。教科書には肝臓が悪い場合も痒みが起こることが書いてありますが、これはまず透析の患者さんの場合は、滅多にいません。薬でもかゆくなります。透析の患者さんの場合は、とくに飲んでいる薬の種類が多いので、注意深く見ていかなくてはなりません。というわけで、痒みといってもかなり難しく診断に労力もいる症状です。 かつては、抗ヒスタミン薬出すか、注射しか考えませんでしたが。