透析を受けている患者さんは、当然ですが、透析をしなくてすむような方法に興味があります。移植ですが、それより最近ではES細胞かiPS細胞で腎臓を作れないのですかというお話を聞きます。もっと勉強している人は学会で、○○先生が豚の身体の中で作れるとかいろいろな話を聞いてらっしゃいます。
　私も以前は毎年アメリカ腎臓学会に参加していて、２０年間、世界のトップの話をいつも聞いていました。そうするとなんとなく向かっている方向や実現性など、わかるようになってきています。医学の進歩は残念ながらやはりアメリカが引っ張っていて、アメリカ腎臓学会のように世界の人が集まるような学会では日本の評価は高くはありません。またマスコミもたとえばiPS細胞について応援しすぎるあまり、いいことばかり書いているような気もします。NatureにiPS細胞でも拒絶反応が起こりそうなことを報告していますが、NHKニュースで取り上げられたりはしていません。
　そんななかでES細胞を移植したので見てほしいという透析の患者さんが現れました。今週から、ここに転院になりましたがびっくりでした。