診療時間外
ネット予約可

医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

0
ブログ

ストロンチウムと透析、水質

少しお休みしていたので、お叱りを受けました。ストロンチウムのことを調べていたのですが、やはりアメリカなど水が硬水のところでは透析液から入るということを強調していました。腎臓が悪いと、普通の人の6~8倍はたまるということで、その入り口が透析液であるということだそうです。
いま、放射性物質としてのストロンチウムが透析患者様にたまるかどうか検討していたのですが、理論的にはやはり、このあと海産物、特に骨が入っているような小魚を食べると骨にたまっていくと考えられます。ガイガーカウンターの検査なども通り抜けますし、チェルノブイリのあともストロンチウムによる汚染は問題になったようです。半減期が28年と長いこともあります。現在の日本の透析液なら多分透析液からのルートでははいりませんが、口からははいってたまりうると思います。ただ、前回書いたようにランタンを飲んでいれば大丈夫だというのは研究で明らかだと考えています。
透析液のほうですが、重要な数値はやはり伝導度です。数字が大きいとイオンが多いことになってストロンチウムも含まれやすいはずです。普通は2桁の値ですが、当院はいつも一桁で3とか4とかの値です。なぜかということを患者さんに聞かれて、システムについて会社に問い合わせました。まず、この近くは落合の浄水場だと思いますが水がきれいなほうだということです。そして、RO装置は再循環させて、何度もROも膜を通すわけですが、それも普通より2本ぐらい多く通しているということです。膜の交換も5年ぐらいもちますが3年で変えています。以前、この膜を交換したら少しだけエンドトキシンが上がりました。といってももちろん1以下ですが。一ヵ月後にはまた元に戻りましたが、精密に測定したエンドトキシンの結果では、RO装置が大事であると考えています。
ROを通した後にさらにエンドトキシンフィルターがたくさん通った特別の機械がついているのですが、実際にはここより、RO膜が重要なようです。水質に気を使っている透析施設で透析をお任せすると同時に、海産物は骨を食べないようにしてもらう。カルシウムよりはランタンでリンをさげる、という方法で、ストロンチウムからは影響を受けないようにできると思います。