診療時間外
ネット予約可

医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

0
ブログ

ストロンチウムと透析

 今放射性物質でストロンチウムSrが問題になっているというので緊急に書きました。というのは僕にとっては研究もしていた内容でもあり、詳しく正確にいえるからだとTVの解説を聞いて思ったからです。
 Srはβ線出すので、ガイガーカウンターでビービーならないし、調べるのに時間がかかったのは当然です。一口に骨にたまりますといってもどういう経路で骨まで行くのかということについて解説がないので書きました。答えは僕が研究していたイオンチャンネルというイオンを通す穴を通って身体にはいっていくのです。TRPという名前の分子ですがこの話の細かいことは抜きにして、Srだけを運ぶわけではないということです。カルシウム、マンガン、亜鉛(Ca, Mn, Mg)などのイオンも運びます。ランタン(La)、ガドリニウム(Gd)があると通りにくくなるはずです。
透析の患者様の場合は吸収は多分普通の人と同じで、骨に入りやすいかどうかは副甲状腺ホルモンなどの管理状態によって違います。低回転骨の人は骨にたまりにくいかもしれません。そして、ほとんどの透析の患者様はCa,かLaをリンの吸着剤として飲んでいますので、まず微量のSrはこれらに邪魔されて身体に入っていかないです。
むしろたまるのは正常の人で、Ca不足がちな私たちでしょうね。地震の影響で牛乳飲めなくなってそのまま飲まない習慣になってしまっているので。牛乳のまないと。
ちなみに多分SrはTRPV5,TRPV6というのを一番通るはずなので、ビタミンDを過剰に取っていてもはいりやすくなるでしょう。 いずれにしても危険はありません。