診療時間外
ネット予約可

医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

0
ブログ

関節痛

透析をされている方の関節痛もよく見られるもので、すべてアミロイドーシスだと誤解されているかもしれません。でも実際に透析アミロイドーシスによる関節炎はそんなに多いものではありません。関節炎といっても痛む場所がどこかによってずいぶん考え方が違います。リウマチのように手だとすると、透析の患者さんではむしろリウマチは少ないことが知られています。なぜか、膠原病という範疇の病気は透析の患者様では病勢が落ちているからです。SLEという代表的な膠原病も病勢が落ちるのでなぜか関節炎や不明熱などの症状は透析になるとでなくなる場合がおおいです。これは透析になるほどの腎不全では免疫担当T細胞の活性が弱くなっているからだと説明されています。いずれにしても手の関節痛はリウマチというよりは、擬牲通風のほうか発生頻度としてはおおいと思います。
膝などの関節痛も擬牲通風がおおく、たいていは痛み止めを飲んでいるうちに自然と治ってしまいます。擬牲通風は通風のようでたまるものが尿酸ではないというところが違います。尿酸がたまる通風も関節痛を引き起こしますが、それほど多くはありません。痛風発作自体が典型的な足の親指にはでないからです。
結論から言うと、透析の患者様の関節痛は原因がたくさんある。典型的なものはむしろ少ない。整形外科でもよく誤解されている。というのが、私の印象です。幸い犠牲通風でも痛み止めを飲んでいるうちに治ってしまうので関節痛で長い間悩まされるという方はあまりいません。痛み止めで治らない場合はまずアミロイドーシス、もしくは透析とは無関係の関節炎ですから。