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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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透析の患者様の健康診断 つづき1

MIA症候群でした。食事が減って、CRPが高くなって何か動脈硬化が進んで、脳梗塞などを起こしてくる透析患者さんの一群です。予後が非常に悪いということで、これらをまとめて起こしてくるようなら注意を怠らないようにという意図で出来上がったものです。いいはじめた方と一回機会があって話したことがありますが、その先生の意見も同じでしたが、動脈硬化というのは炎症が進めるんだと。あるいは動脈硬化自体炎症と呼べるのかもしれません。
確かに透析の患者さんで年齢もあって弱ってくると、まず食事ができなくなって栄養不足になって、CRPも上がってきます。治療は、徹底的に栄養を取ってもらう以外なく、点滴やホルモンの注射など論文はありますがうまく行かないのが現状です。成長ホルモン、あるいは蛋白同化ホルモンを使うという研究もありますが、やはり、口から栄養をとってもらう以外にはうまくいきませんでした。オメガ脂肪酸の点滴も報告ありますが、無効だという報告もあります。経験的には、飲む栄養飲料を摂取することで、栄養を増やしてあげるのがひとつのきっかけになって回復させられました。こういう患者さんだと、BUNも低く透析が必要でないと昔は判断していましたし、今でもそういう意見があると思います。しかし、私としてはむしろそういうときこそ、HDFで、炎症のもとであるサイトカインを取ってあげるのが大事でした。栄養が落ちてBUNもアルブミンも減ってきたらむしろHDFをする。何とかして栄養を取ってもらうように周囲の人と連携する。というのが大事な気がします。
そのために必要なばあいは輸血もしてあげて、Hb10はどうしても確保するという治療でよくなるような気がします。話がすこしそれましたが、MIA症候群をみていると動脈硬化が月単位で進んでいくのがわかります。血管の石灰化でなくて、血管が硬くなってあちこちの動脈が閉塞してくるようなことが起こります。そこから見ると、動脈硬化というのは炎症のひとつなんだろう、少なくとも炎症の側面はあると考えられます。