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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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透析の患者様の健康診断 つづき

もちろん、寝返りしても骨折するようなひどい状態の患者さんを経験したことはあります。もう20年以上前です。当時は副甲状腺の摘出しか方法がなかったので、外科にお願いして何例も切除してもらいました。今は、ビタミンDやレグパラがあり、またアルコール注入などの開かない方法もできたので、摘出は少なくなりました。こういう場合でもHDFの方が症状も回復もいいので、何かやはりPTH以外にもいろいろなHDでは取れないものが関与しているのだと思います。結局、こういった治療があり、骨折に関しても同じ年齢の人と同じレベルまで達しており、透析はハンディにならないような気がします。
3番目の動脈硬化の評価ですが、これは難しいです。脈波速度PWVがよく使われていますが、大動脈の硬さはわかるけど、細い血管の硬さはわかりません。実際には脳梗塞などの細い血管の動脈硬化が問題なので、PWVは私としては大きく信頼しているというほどではありません。もうひとつ頚動脈のIMTという厚さを測る方法があります。これは心筋梗塞を起こす冠動脈の動脈硬化を予測する最もよい指標となっているので信頼しています。ほかに採血からCRP,ホモシスティンなどの値と動脈硬化の関係が言われていますが、極端な場合でなければ寄与率は少ないといわれています。異常値がでていれば原因を調べて治そうとはしますが、CRPやホモシスティンのわずかの上昇はすぐに動脈硬化につながるとは思えません。
MIA症候群と呼ばれる透析の合併症があります。M(malnutrition)栄養不足、I(inflammation)炎症、 A(atherosclerosis)動脈硬化。が合併したものです。、、つづく