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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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透析の患者様の健康診断

透析の患者様の健康診断;こういう風に表記しましたが、長期透析の合併症をチェックするということです。簡単には、貧血、骨病変、動脈硬化、循環器の合併症です。貧血はHbで11を目標に11-13ぐらいが生命予後にいいことがわかっています。何処でもこれくらいになっていますが、季節性があるとか、薬の反応のせいであるとか変動するので、おおよそでOKです。昔はヘマトクリットで30以上といっておりましたが酸素を運ぶ能力はHbがあらわすので、Hbがよい指標になります。Hbは13以上だと脳梗塞になるという人もいますが、有意差はなく13でもOKです。治療側からみるとそのための薬の使い方がいろいろありますが、患者様から見れば11-13の目安だけ知っていていただきたいです。
骨病変は副甲状腺機能亢進のPTHを測るわけですが、前に書いたベスト10の論文の中で、本当に有意差があるのは600以上ある場合です。学会の基準どおり、350以下にどうしてもするという方針もあるのでしょうが、測定上採血してしばらく放置してしまうとPTHの値が上がるなどのこともあり、それほど気にしなくてもいいかと思います。また測定しているPTHインタクトは活性のないPTHも測っているところが問題で、ホールPTHを測るということも一時はやりましたが、結局データのたくさんあるインタクトで基準を考えているようです。
骨の指標にも骨塩定量では測ったところの骨だけですし、DEXAで全身の骨の状態を撮影するのも大変です。ALP, TRAP5b, BAP, intact OC,NTxなど、骨が溶けたりできたりするときの血液検査もありますが、骨折を予見できるものはありません。整形外科学会の国際基準を見ると、過去の骨折の有無、年齢、性別などを入れると将来の骨折の確率が出てきます。これから判断すると、極端に高いPTH以外は骨折に関しては関係ないかもしれません。もちろん、、