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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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かゆみ1

前回のはかゆいという神経を何とかしようというものでした。あと、何報か諸外国の発表にあったのは、ガバペンチンという抗痙攣薬で、尿毒症によるかゆみに比較的よく効きます。しかし、薬に蓄積性があるので、投与方法は注意が必要です。
一方、皮膚としては尿毒症の物質で、汗腺を萎縮させるものがあり、夏でも汗がかけないような透析の方は冬はかなりかゆくなると思います。昔は透析している方の皮膚の組織の特徴は皮脂が薄くなっているのと汗腺が萎縮することでした。さらに詳しく調べられていれば神経の分布もおかしかったのだと思います。その意味で、毒素を十分取ることと夏には汗をかいてもらうように心がけています。ミストサウナなどあまり暑くなく汗をかいてもらうのはいいと思います。赤外線で汗をかいてもらうのもいいかもしれません。弱い紫外線も透析の方のかゆみに使われます。
十分毒素が取れていて汗がかければ、皮膚の保湿作用の低下は普通の方の乾燥肌と同じで、透析の方に特徴的だということはないようです。この場合は、乾燥肌の治療と同じで、ワセリンとか油分の多い薬で補うしかないようです。ワセリンにステロイドを混ぜたものなどが皮膚科ではよく薦められます。クリームより軟膏が薦められます。あるいは尿素とビタミンAのミックスもいいかもしれません。
何冊か本を読んだり論文を調べたりすると、おおよそ推奨されるものはでてきますが、これが決めてだというものはなく、いろいろ試してみてもらうしかありません。飲み薬は抗ヒスタミン薬しかありませんが、なかでも新しい薬ならクラリチンがいいようです。
なぜかゆみのことを書くのかというと、しばしば、皮膚科にいっても透析しているからでしょうといわれてそれ以上細かくは見てもらえないことがあるからです。また、逆に透析の学会で扱われているかゆみというのも実際には皮膚病も入っているはずで、原因は一つではないはずです。