オンラインHDF3
糖尿病に話が変わったので、まず糖尿病の透析のお話をします。レプチンがオンラインHDFならば抜けるので食欲が出るところまで行きました。それなのに血糖値はむしろよくなっていくことも言いました。
糖尿病は血管の病気です。なぜ、腎臓も含めて、目や心臓や脳の血管がぼろぼろになってしまうのでしょうか。いまは高くなったブドウ糖が体の中にある蛋白質などを変性させてそれが毒になると考えられています。濃いい砂糖水につけておくと骨でも何でもぼろぼろになっていくというイメージです。この前、ためしてがってんという番組でもブドウ糖がくっついて骨が硬くなるという話をしていましたが、この糖化した分子が悪さをしていることは確かです。そしてオンラインHDFでは糖化して重くなって普通の透析では取れなくなった毒素も取れます。これには確たる実験結果があります。
もちろんそれがすべてではないでしょうが、血管の合併症はオンラインHDFではかなりいいようです。多くの糖尿病患者さんは足の動脈硬化で足が腐ったりしますが、ここには1人しかいません。その方も腐りそうになりながら、もう2年進行せずに維持できています。心臓の狭心症もほとんど経験しません。今まで、20年間HDで診て来た患者さんたちに比べるとずいぶん少ない気がします。
しかし、糖尿病性神経症という問題はオンラインHDFをしても治りません。足の感覚の訴えや、不安定な血圧は糖尿病の透析の方では多く見受けられますが、簡単には治りません。時間が年単位でかかるのかもしれませんが、薬を工夫して調整しています。