透析 精神2
私は開業して、一番勉強したのは精神医学でした。それまで、大学にいて、サインス、エビデンスばっかりでしたが、心理学や精神医学を勉強しなおしました。透析中に大声を出して騒ぐ人。よく話を聞いてみると痴呆であったり。透析病院をいくつも変わっていく人。ある意味で、抑うつから、病院さまよい症候群だったりだと思います。完全な二重人格で、薬を飲まなくなったとたん、自分が何処にいるかわからなくなり、こちらもあちこち探し回ったりということもありました。ただ、透析中に回路をはずそうと引っ張ってしまう人だけは大変で治療できませんでした。睡眠薬を使って透析するしかないのですが、これを見張るのは大変で、小さな私どもの病院ではできませんでした。
わがままな患者さんと評される裏には必ず透析をしなくてはいけなかったというきっかけがあります。そこを理解して、接しようと勤めるとわがままな患者さんというのはいなくなりました。理解して接し、話をよく聞いて病気がさせていることだと思って納得する。今はわがままな患者さんはいません。