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医療法人社団 敬水会
江戸川橋鈴木クリニック

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ブログ

腎臓は作れるか

人のiPS細胞(hiPS細胞)から腎臓の種を作れたという新聞やテレビで報道され、透析を受けられている患者様には特に興味深い話だったと思います。私たちにとっても本当に腎臓が出来るなら透析はその腎臓が出来るまでのつなぎの役割になるのでしょう。私としても腎臓を作ってくれる機関とはやく提携して、その一役を担いたいと思います。実際には透析に来ていただいて口腔内の細胞を摂取してその施設に送る。そこで、細胞が出来たら移植してもらうという手続きになるんだと思います。
 前にも書きましたが、アメリカの私のボスがこの仕事をしているので、メールしたところ早速この論文も含めてご教示いただきました。この論文は人から効率よくIMという腎臓になりうる細胞を作れるという方法が出来たという点で評価できる。しかし、IMの作り方は従来知られていることだし、ES細胞からも同じようにIM細胞が作れる。ということでした。やっぱり問題はどこにどうやって腎臓を作るかなんでしょう。この論文はhiPSから2ステージ進めた細胞をマウスの脂肪の中に植えておくと、副腎、や糸球体(のような細胞)などの中胚葉の組織になっているということで、腎臓そのものが出来ているわけではありません。腎臓は血管と尿管ができないと形を成さないのですが、膀胱の近くにIM細胞を置いておいても尿管で出来るという条件がわからないというのが現状です。
 腎臓になるまでは大変だと思いますけど、こういうニュースには耳を傾けて、早く自己腎臓移植に対応したいと思います。