オンラインHDFが透析の患者様の心臓疾患にいいということは知られていましたが詳しくはわかっていませんでした。
考えてみると透析になって最初の10年間は循環器が死因のトップです。オンラインHDFは１４年ぐらいの歴史ですから、予後がいいということはまず循環器の合併症が少ないというのが理由でしょう。前にも書きましたが、当院で心不全でなくなる人が極端に少なく、製薬会社で招待公演をした際に驚かれました。
　新しい、論文では心臓肥大がなくなるということだそうで、はっきりしたと言っています。心臓肥大は何らかの血清因子で刺激されるということで、こういった因子が除去されているということです。特に血圧が高く透析を受けている患者様の高血圧合併症は、オンラインHDFで安心と言えるのかもしれません。肥大しない心不全についてはわかっていません。シャントの詰まる率も低いので血管が詰まる脳梗塞や心筋梗塞は少ないのうなずけます。
　実際私も同じような考えで、心肥大の厚さ心肥大の指標などを毎年検査させていただいていますが、同じように変わらないという印象を持っています。
次の合併症であるアミロイドーシスは明らかに減るので、透析後20年ぐらいまではまず大丈夫ということなんでしょうか。