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大井町とうまクリニック

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レディスドッグについて(婦人科)



 婦人科検診が気にはなっているけれど、婦人科を受診するのはちょっと抵抗がある、どんな検査をするのか不安…そう思ってためらっている女性も多いのでは?
確かに他の科と違って、内診があったり、相談しにくい内容だったりしますよね。私自身も若い頃、婦人科に行きたくても恥ずかしくて、受診をためらっていた記憶があります。何か重大な病気だったらどうしよう、と不安ばかりが大きくなって一人で悩んでいました。
そんな女性の気持ちが分かるからこそ、もっと気軽に安心して相談できるクリニックにしたい、知らないという不安だけで検査をするチャンスを逃してほしくないと思うのです。
そこで当院では、女性医師と女性スタッフ、そして女性だけのプライベート空間で、きめ細やかな対応と受診しやすい価格設定にして、どなたでも気軽に婦人科検診を受けられるよう、フォローアップいたしております。
>>レディースドック一覧表

 ここで、一般的な婦人科検診やレディースドックで行われる検査について、初めての方でも安心して受診していただけるよう、少しずつ分かりやすくご説明しましょう!

 婦人科の病気を調べるためには、どうしても内診や腟からの検査が多くなります。検査を受ける日は生理を避けて、下着を脱ぎやすい服装で来院してください。スカートや靴下はそのままで大丈夫ですし、上半身は(乳房検査がなければ)脱ぐ必要はありません。ズボンでも腰に巻くタオルなどが準備されていますので大丈夫です。
内診時に向こう側が見えずに不安な方は、カーテンをしないで直接ドクターと話しながら診察を受けることもできます。
 また、不正出血や月経不順で出血が分からないときは、その旨をご相談ください。性交渉の経験がない方は、無理に腟からの診察は行いませんので、恥かしがらずにお伝えいただいたほうが安心です。
診察のあと、多少出血したり、薬が付いたりすることがあるので、できればナプキンを持参するとよいでしょう。
 子宮頸がん検診だけであれば、ほんの短時間ですぐ終わる検査ですので、緊張しないで気楽にご準備ください。


 子宮がんには、子宮の入り口(頚部)にできる子宮頚がんと、子宮の内側(体部)にできる子宮体がんがあります。それぞれ発症する場所や年代、原因も異なります。

 子宮がん検診は、取った細胞の状態を顕微鏡で調べる「細胞診」のことです。がんになる前のわずかな変化が分かるので、すぐに悪性というわけではありません。きちんと定期的に検診を受けていれば、このわずかな変化の段階で発見できるので、治療によって完全に治せる病気なのです。つまり、自分自身で防ぐことができる病気なのです!

子宮頚がん検診(頚部細胞診)は、20才以上で性交経験のある女性に行うスクリーニング検査で、綿棒などを使って子宮の入り口をこすって細胞を取ります。ほとんど出血も痛みもありません。
 子宮頚がんは、性交渉によって感染するHPV(ヒト・パピローマウィルス)が原因であることが分かっています。このウィルスは特別なものではなく、性交渉の経験がある女性であれば誰でも感染する機会はあります。また多くの場合はその人の免疫力によって、ウィルスは自然に排除されて消失します。その中でも高リスク型と呼ばれるタイプのウィルスに持続感染した場合、その約1割の女性が子宮頚部の細胞に異常を起こして、長い年月をかけて子宮頚がんになるリスクがあります。近年、性交年齢が下がり、若い人の子宮頚がんが増えているので、性交経験のある人は年1回の定期検診を受けるようにしましょう!

 子宮体がん検診(内膜細胞診)は、子宮の中(内膜)に器具を入れて細胞を取るので、多少の痛みや出血を伴います。子宮体がんは頚がんに比べると少なく、原因もウィルスではありませんが、未産婦や50歳以上または閉経後の不正出血や月経不順の方、画像検査で疑われる場合などには検診をお勧めします。また、体がん検診を受けた当日は、激しい運動や入浴は避け、シャワーにしてください。出血も数日で止まりますが、その間は性交渉を控えてください。

 このように、子宮がん検診は「がん」になる前に発見できる検査なのに、残念ながら日本人の女性はまだ受診率が2割程度と低く、7~8割の女性が受けている欧米と比べて、子宮頚がんによる死亡率は高くなっています。ちょっとした勇気と心がけで防ぐことができるのに、婦人科医としてこの現状は大変悲しく感じています。
 もちろん、生きている限り細胞も変化しますので、今年の検査結果が異常なくても、年1回は必ず検診を受けるようにしましょう。お誕生月にセルフケアとして受診されるのも、いいアイディアだと思います。


細い超音波検査の器具を腟から入れて、子宮の内部や卵巣を詳しく調べることができます。
内診だけでは、お腹の脂肪や腹筋の緊張、便秘などで病気が分かりにくいことも多く、この経膣超音波検査を使うことで小さな病変を見つけたり、子宮の内側や周囲の状態も観察できます。妊娠初期の胎児の成長も、この腟からの超音波で観察できます。押されている違和感はありますが、全く痛みはありませんし、数分で終了します。性交経験のない方は、腹部の超音波や肛門から検査することもできます。子宮がん検診を受けるときには、同時に経膣超音波検査も受けると、より正確に病気を診断できます。

腟内のおりもの(分泌物)を取って、細菌や感染症がないか調べます。膣炎が起こると、おりものが増えて色が濃くなったり臭いが強くなったり、かゆみが出やすくなります。膣内には通常、常在菌がいて外から入る細菌を抑える役目がありますが、体の抵抗力が落ちると常在菌が少なくなり、細菌が増えて膣炎が起こります。清潔にしていれば自然に治ることもありますが、症状が続く場合はおりもの検査をして、それぞれ原因菌に合った治療を受けましょう。
また、性行為感染症(STD)といわれるクラミジアや淋病、トリコモナス膣炎などもおりものを取って調べますが、まったく自覚症状がないことも多いので、パートナーがいる方やご結婚を控えている方は、STD検査を受けることをお勧めします。もしパートナーが感染症にかかったら、ご本人に自覚症状がなく検査で出ないこともあるので、一緒に治療したほうがいいでしょう。また、治療した後にはきちんと治っているか、必ず再検査を受けてください。
現在、若い方のクラミジア感染症が急増しており、放っておくと骨盤に炎症が広がって腹痛や不妊症、子宮外妊娠などにつながります。ほかに、HIVや梅毒、肝炎などの感染症は、血液検査で調べることができます。