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施無畏クリニック

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病院紹介

■ペインクリニック
「ペイン(Pain)」というのは「痛み」のことで、ペインクリニックというのは、頭が痛い、腰が痛いなどの「からだの痛み」だけでなく、やる気が出ない、イライラするなどの「こころの痛み」も治療する診療科です。
あまり聞き慣れないかもしれませんが、歴史は古く、我が国では1962年に、若杉文吉先生が、東京大学にペインクリニック外来をつくられたことに始まります。整形外科を経て麻酔科医になられた若杉先生は、当時整形外科、耳鼻科などで行われていた「星状神経節ブロック療法」を積極的に取り入れ、痛みだけでなく、全身のさまざまな病気に効果があることを研究してこられました。
麻酔科医がペインクリニックを担当するようになったのは、もともと、手術中の「痛み」をとることが専門だったことによります。更にまた、痛みの原因は全身の病気に由来しますから、内科、外科、小児科、産婦人科など幅広い科の知識を持ち、全身を診ることが専門だったという点も、大変適していたのです。
これらの経緯から、ペインクリニックは「神経ブロック療法」を中心に治療を行っています。中でも「星状神経節ブロック療法」は「痛みの病気」だけでなく、自律神経、免疫力、ホルモン分泌のバランスを整え、自己治癒力を高める治療法だということがわかってきているので、こころとからだの痛みを両方癒してくれる、やさしい診療科なのです。

■ペインクリニックで診療している主な病気
ペインクリニックで診療している主な病気には、以下のようなものがあります。

痛みの病気
頭痛 片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など
顔面痛 三叉神経痛、非定型顔面痛、帯状疱疹、舌痛症、顎関節症など
頚・肩・腕の痛み 肩こり、五十肩、むち打ち症、頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症、寝ちがい、外傷性頚部症候群、胸部出口症候群、腱鞘炎、手や腕の痛みなど
腰・下肢痛 腰痛、腰椎間板ヘルニア、ぎっくり腰、脊柱管狭窄症、腰椎すべり症、坐骨神経痛、膝の痛み、足首の痛み、足の痛みなど
その他 癌による痛み、帯状疱疹による痛み、関節リウマチ、神経痛、生理痛など
麻痺・痙攣の病気
顔面神経麻痺、顔面痙攣、眼瞼痙攣、チック症、突発性難聴など
アレルギーの病気
花粉症、アレルギー性鼻炎、気管支喘息、自家感作性皮膚炎など
ホルモンの病気
バセドウ病、甲状腺機能亢進症、低下症、生理不順、更年期障害、性欲減退など
その他
自律神経失調症、高血圧症、不整脈、狭心症、胃十二指腸潰瘍、手掌多汗症、多汗症、慢性疲労症候群、メニエール病、耳鳴り、パニック障害、冷え性など

その他にも、たくさんの病気を診療しています。

■星状神経節ブロック療法
ペインクリニックで、最も多く行われている神経ブロックです。のどにある交感神経を一時的にゆるめ、ヒトが本来持っている自己治癒力を高める治療法です。自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスを整えますので色々な症状や病気に有効です(表.星状神経節ブロック療法の適応)。
のどには星状神経節といって、脳・顔面・頭部・頚部・上肢・心臓・肺などに交感神経の細い線維を送っている(支配する、といいます)交感神経の「中継所」のようなところがあります。この星状神経節のそばに局所麻酔薬を注射し、交感神経の働きを一時的にブロックするのが「星状神経ブロック療法」です。この療法をすると、局所麻酔薬が効いている間、脳を初めとする支配領域の血行がよくなり、機能低下していたさまざまな器官が機能回復するのを助けます。そのため、痛みや様々な症状が楽になってくるのです。
星状神経節ブロック療法の特徴は、繰り返していくと脳の視床下部の機能が改善され、自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスが整い、自己治癒力が高まってくることにあります。そしてその改善した自己治癒力により、体中のさまざまな病気が治っていくといわれています。
たとえば、ストレスにより自律神経のバランスが崩れると、さまざまな病気が引き起こされることは、よく知られています。胃・十二指腸潰瘍、高血圧症、気管支喘息、不眠症、うつ状態、過敏性腸症候群などが有名です。星状神経節ブロック療法は自律神経のバランスを整えますから、このような痛み以外のストレスによる病気にも効果が出てくるのです。
ですから、頭痛を治そうと治療を開始したところ、胃腸虚弱、冷え性、易疲労、腰痛、花粉症、耳鳴り、便秘、魚の目など目的以外の症状がたくさん改善したということはしばしばあり、たいへん喜ばれています。
また、副作用がないことも「星状神経節ブロック療法」の特徴です。老若男女を問わず、妊娠中の女性でも、ほとんどの方が治療を受けることができます。
ただ時々、ブロック注射のあと、声がかすれる、ものを飲みこみづらい、注射した部位が痛い、腕があがらない、といった症状がみられることがあります。これらは、一時的なものですから心配はいりません。だいたい1〜3時間で、もとにもどります。のどにはいろいろな神経があるため、少しだけ局所麻酔薬が流れていくことによります。

■星状神経節ブロック療法の適応

全身 風邪とその予防、自律神経失調症、本能性高・低血圧症、甲状腺機能低亢進・低下症、拒食症、過食症、起立性調節障害、乗り物酔い、立ちくらみ、パニック障害、不眠症、過眠症、脳卒中後痛、脳卒中後片麻痺、関節リウマチ、術後合併症、多発性硬化症、ベーチェット病、シェーグレン症候群、重症筋無力症、痛風、伝染性単核球症、慢性疲労症候群、反射性交感神経性萎縮症、カウザルギー、幻肢痛、断端痛、癌、糖尿病、冷え性、肥満症、低体温症、再生不良性貧血、骨粗鬆症、吃逆、化学物質過敏症
皮膚科 全身多汗症、掌蹠多汗症、乏汗症、ざ瘡、アトピー性皮膚炎、蕁麻疹、全身性白癬症、足白癬、爪白癬、皮膚掻痒症、脂漏性皮膚炎、掌蹠膿胞症、帯状疱疹、単純疱疹、天疱疹、ケロイド、脱毛症、凍傷、爪甲剥離症、爪甲軟化症、爪甲縦裂症、爪囲炎、腋臭症、進行性指掌角化症、あかぎれ
頭部 片頭痛、緊張型頭痛、頚性頭痛、群発頭痛、側頭動脈炎、脳血管攣縮、脳血栓、脳梗塞
眼科

網膜血管閉塞症、網膜色素変性症、中心性網膜症、ぶどう膜炎、類嚢胞黄班浮腫、角膜ヘルペス、角膜潰瘍、緑内障、アレルギー性結膜炎、瞳孔緊張症、飛蚊症、眼精疲労、ドライアイ、VDT症候群、屈折異常

耳鼻科 アレルギー性鼻炎、血管運動性鼻炎、鼻茸症、慢性副鼻腔炎、急性副鼻腔炎、術後性上顎嚢胞、突発性難聴、浸出性中耳炎、メニエール病、良性発作性頭位眩暈、鼻閉、扁桃炎、耳鳴、咽喉頭異常感症、嗅覚障害、いびき、睡眠時無呼吸症候群
口腔 抜糸後痛、舌痛症、口内炎、舌炎、歯肉炎、口唇炎、歯ぎしり、口内乾燥症
頚肩上肢 上肢血行障害(レイノー病、レイノー症候群、急性動脈閉塞症、バージャー病)、肩手症候群、頚肩腕症候群、椎間板ヘルニア、外傷性頚部症候群、胸郭出口症候群、肩関節周囲炎、乳房切断後症候群、テニス肘、腱鞘炎、頚椎炎、ガングリオン、腕神経ニューロパチー(外傷性、術後)、関節炎、肩こり、ヘベルデン結節痛
循環器 心筋梗塞、狭心症、洞性頻脈、神経循環無力症
呼吸器 慢性気管支炎、肺栓塞、肺水腫、肺気腫、過換気症候群、気管支喘息、自然気胸
消化器 過敏性腸症候群、潰瘍性大腸炎、胃炎、肝炎、クローン病、消化性潰瘍、逆流性食道炎、胆道ジスキネジー、便秘、下痢、腹部緊満症、ダンピング症候群、痔核、裂肛
産婦人科 月経異常、月経前緊張症、月経困難症、子宮内膜症、更年期障害、子宮摘出後自律神経失調症、尿失禁、膀胱炎、女性不妊、妊娠悪阻、膣痙
泌尿器科 神経性頻尿、インポテンス、尿失禁、夜尿症、腎盂腎炎、ネフローゼ症候群、IgA腎症、嚢胞腎、遊走腎、前立腺肥大症、前立腺症、男性不妊
腰下肢 腰下肢痛、膝関節痛、肢端紅痛症、肢端紫藍症、鶏眼、下肢静脈瘤、こむら返り、バージャー病、閉塞性動脈硬化症
「ペインクリニック診断・治療ガイド」第2版より


■腰部硬膜外ブロック療法
ペインクリニックの腰痛治療で、もっとも多く行われているのが「腰部硬膜外ブロック療法」です。
「腰部硬膜外ブロック療法」というのは、腰椎(せぼね)の中の硬膜外腔という所に局所麻酔薬を注入し、痛みを一時的に和らげ、腰部と下肢の血行を改善し自己治癒力を高める療法です。神経を包んでいる一番外側の膜(硬膜)より外側のスペースに注射をする神経ブロックで、神経に直接針を刺したりしませんから、痛みもほとんどなく、腰痛治療の代表的神経ブロックです。

なお、この「神経ブロック療法」は、麻酔の効果が強く現れたときに、力が入りにくくなることがあります。このような状態は、しばらく安静にしているともとに戻りますので、心配はいりません。また痛みは、局所麻酔をするときに、チクッと感じる以外はほとんどありませんので、ご安心下さい。

q ペインクリニック科とはどのような科ですか?
a ペインというのは「痛み」のことで、痛みの治療を専門とする科です。治療法として神経ブロック療法を得意としています。神経ブロック療法とは「からだの痛み」だけでなく「こころの痛み」などいろいろな病気を治療します。
q 神経ブロック療法ってなんですか?
a 一時的に神経を休めることで、自己治癒力を高める治療法です。一番有名なのは「星状神経節ブロック療法」で、いろいろな症状や病気に効果がある副作用のない安全な治療法です。
q 星状神経節ブロック療法とはなんですか?
a くびにある交感神経を一時的にゆるめ、自己治癒力を高める療法です。自律神経、ホルモン分泌、免疫力(抵抗力)のバランスを整えますので、色々な症状や病気に有効です。
q どんな症状のとき、ペインクリニック科に行けばいいですか?
a 頭痛、肩凝り、腰痛、五十肩、帯状疱疹、生理痛、神経痛・・・など痛みの病気を始め、多汗症、自律神経失調症、パニック障害、慢性疲労症候群・・・などからだの不調、顔面神経麻痺、更年期障害、高血圧、冷え症・・・など様々な病気を治療します。
q クリニックの名前の「施無畏」って何のことですか?
a 「人々の恐怖の気持ちをとりのぞき、安心させ救済すること」という意味です。これこそ医療のあるべき姿、基本ではないかと思っています。