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林医院

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血圧と上手につきあうために(運動編)

運動は、血液のバランスを正常にしてくれる。
私たちの体のなかは、血圧を上げる因子と下げる因子が互いにバランスを取りながら、血圧を正常に保っています。高血圧は、このバランスが崩れた状態です。
運動をすると、体のなかの血圧を上げる因子が減り、逆に血圧を下げる因子が増えて、血圧のバランスを正常へと近づけてくれます。

運動は「栄養素」まで作りだす。
タウリンという物質は、交感神経の緊張を鎮めて血圧を下げ、動脈硬化も予防してくれる働きがあります。高血圧の人は、このタウリンが一般的に少なくなっているのです。タウリンは魚介類にたくさん含まれていますが、運動をしていると、魚介類を多くとらなくても、体内で増加していきます。

運動は成人病の予防のひとつ。
運動を続けていると、血圧を下げる以外にもいろいろとよいことが起こってきます。たとえば、スタミナがつき、心臓の動きもよくなります。
また、善玉コレストロールが増えて、動脈硬化の予防にもなります。つまり、運動は血圧を下げるだけでなく、いろいろな成人病も予防してくれます。なによりよいことは、薬のように副作用の心配がありません。

ウォーキング、ジョギング、水泳がおすすめです。
高血圧の人によい運動は、適度な強さの有酸素運動です。たとえば、ウォーキング(速歩)、ジョギング、水泳など。なかでも、ウォーキングは、いつでも、どこでも誰でも手軽にできるので、とくにお勧めです。しかし、肥満の人や腰痛の人、ひざをいためてる人には、水中ウォーキングがよいでしょう。水の中では、浮力のために、地上を歩くよりも腰や足にかかる重力が少なくてすみます。疲れを感じずに30分間ぐらい持続できて、隣の人と話ができる程度の運動がちょうどよい運動です。

運動がダメなら、腹式呼吸を。
運動のできないとき、あるいは運動のにがてな人には腹式呼吸(息を吸うときにお腹をふくらませて、吐くときにお腹をへこませる呼吸法)を1日2回、1回5分間ぐらいおこなうのがよいでしょう。半年ほどで効果があらわれてきます。

体調と血圧と対話しながら、無理せずに気長に続けましょう。
運動療法では、降圧効果があらわれるまで少し時間がかかります。また、ゆっくりと血圧が下がってきます。
運動をはじめる前に、最も効果的で安全な方法を知ることが大切です。
間違った運動をしていては、効果どころか、かえって危険を招くことにもなりかねません。必ず医師と相談し、あなたに適した運動をおこないましょう。