目のアレルギー(1年中のかゆみ)
1年中いつも目がかゆいタイプ |
アレルギー性結膜炎には「季節性」と「通年性」があります。
「季節性アレルギー性結膜炎」
⇒花粉が飛ぶ季節だけ目がかゆい
「通年性アレルギー性結膜炎」
⇒1年中、目がかゆいなどの症状がある
アレルギー性結膜炎の三大症状は「目のかゆみ」「充血」「涙が出る」ですが、通年性アレルギー性結膜炎の症状は、軽症の場合「目の疲労感」「乾燥感」などで、重症になると「ゴロゴロする」などの異物感、「めやにが出る(眼脂)」、「目がかゆい」などの症状が目だってきます。
症状は1年中を通して見られますが、季節や気候、体調の影響によってもよくなったり悪くなったりします。
【主な原因】
通年性アレルギー性結膜炎は、埃などの中に存在しているハウスダストやダニが、主にアレルゲン(抗原)となって症状を引き起こします。
アレルゲンとなるダニはチリダニという種類(ヤケヒョウダニ、コナヒョウダニ)で、人を刺すことはありませんが、生きていても死んでいても、そのフン(排泄物)でもアレルゲンになります。
犬や猫の場合では毛やフケ、またカビもアレルゲンになる場合があります。
【原因となるアレルゲンを見つける】
通年性アレルギー性結膜炎の場合、自分の体にアレルギー反応を起こすアレルゲンを特定し、そのアレルゲンを除去(回避)することが大切です。原因となるアレルゲンは人によって異なりますので、検査を受けて自分のアレルゲンを知る必要があります。
血液検査
血液の中のアレルギー反応を起こす物質(lgE抗体)があるかどうか調べます。自分がアレルギー体質かどうか、アレルギー体質ならハウスダストやダニなどのアレルゲンに対するlgE抗体の有無を調べて原因を特定します。
皮膚テスト
皮膚にハウスダストやダニなどのアレルゲンエキスをたらし直接反応させます。プリックテストやスクラッチテストなどの方法があります。
主な皮膚テスト
プリックテスト | 皮膚にアレルゲンエキスをたらし、針で軽く引っかく(約15~20分後の皮膚反応を検査する) |
スクラッチテスト | プリックテストとほぼ同じ(約15~20分後の皮膚反応を検査する) |
皮内テスト | 皮膚にアレルゲンエキスを注射する(約15~20分後の皮膚反応を検査する) |
【点眼薬による治療】
ダニなどによる通年性アレルギー性結膜炎の治療には、主に点眼薬を使用します。
メディエーター遊離抑制薬
マスト細胞からアレルギー症状を引き起こす物質(ヒスタミンなどのメディエーター)が出ないようにする
ヒスタミンH1受容体拮抗薬
アレルギー症状を引き起こすヒスタミンが血管や神経にある受容体にくっつかないようにブロックし、目のかゆみや充血などの症状が出ないようにする
ステロイド薬
上記2種の点眼薬で効果が見られない時や重症の場合に使用する。副作用が見られることもあるので必ず専門医の指示を守って点眼し、使用期間中は定期的に眼科専門医を受診する
【日常生活での注意点】
通年性アレルギー性結膜炎の場合は、点眼薬による治療だけでなく、室内環境を整えることが大切です。生活習慣の見直しや体調を整えるよう心掛けましょう。
室内環境の整備(ダニ対策):ダニが好む環境は気温20度~30度、湿度60%以上とされている | |
室内清掃 | 部屋は毎日掃除機をかける |
掃除機はゆっくりと丁寧にかける(1畳を1分が目安) | |
掃除機のゴミは頻繁に捨てる | |
寝具 | 晴れた日の天日干し。布団乾燥機、掃除機をかけてダニを除去 |
防ダニ加工されている寝具やカバーもまめに洗濯 | |
空気清浄機 | ダニは家庭用空気清浄機で除去できるので、積極的に使用。特に寝室 |
装飾品 | 畳、じゅうたん、カーテン、ソファ、ぬいぐるみ、環葉植物などのほこりが溜まる環境を減らす |
フローリングの床はほこりが溜まりやすいので床に物をあまり置かない | |
フローリングのハウスダストは拭き掃除が有効 | |
通気と除湿 | たんすやクローゼットなどの収納場所は通気や除湿を心掛ける |
ペット | ダニやペットがアレルゲンと特定された場合は室内でのペット飼育はやめる |
生活習慣の見直し | |
アルコール | アレルギーの症状悪化につながるので、症状があるときは控える |
睡眠 | 十分は睡眠をとるように心掛ける |
過労やストレス | 過労やストレスを避ける、発散する |
便通 | 適度な運動、バランスのとれた食生活を心掛け、便秘にならないようにする |