緑内障の症状と検査・治療
一般的に緑内障では自覚症状はほとんどなく、知らないうちに病気が進行していることが多くあります。視神経の障害はゆっくりと起こり、視野も少しずつ狭くなっていくため、目に異常を感じることはありません。
急性の緑内障では急激に眼圧が上昇し、目の痛みや頭痛、吐き気などの激しい症状を起こします。時間が経つほど治りにくくなるので、急性閉塞隅角緑内障の発作が起きた場合はすぐに治療を行い、眼圧を下げる必要があります。
多くの場合、自覚症状がない緑内障に対しては、早期発見・早期治療が最も重要です。一度障害が起きた視神経を元に戻す方法はないため、病気の進行を食い止めることが目標となります。できるだけ早期に緑内障を発見することが必要です。
【症状の進み方】
初期
視野の一部に異常がありますが、視野の”はし”の方だったり、小さい範囲だったりして気づかないことが多い
中期
見えにくいところが出てきますが、人によっては自覚症状がない場合もある。ちょうど老眼が疑われる年齢にさしかかっているため発見が遅れがち。
後期
視神経の40~50%が傷ついてくると中心に近い部分にも見えないところが出てくる。内側(鼻側)から視野が狭くなり、文字の一部が欠けたりテレビで見えない部分が出てくる。
【検査】
緑内障は眼圧検査、眼底検査、視野検査で診断されます。
定期検診などでいずれかの検査に異常があった場合、必ずもう一度眼科医の診察を受けるようにしましょう。
眼圧検査
直接、目の表面に測定器具をあてて測定する方法と、目の表面に空気をあてて測定する方法があります。
眼底検査
視神経の状態を見るために視神経乳頭部を観察します。視神経が障害されている場合、凹みの形が正常に比べて変形し大きくなります。
視野検査
視野の欠損の存在の有無や大きさから緑内障の進行の具合を判定します。
【治療】
緑内障の治療は病気の進行を食い止めるため、眼圧を低くコントロールすることが最も有効とされています。治療法としては薬物療法、レーザー治療や手術が一般的です。レーザー治療や手術を受け眼圧が下降しても、その効果が維持されるとは限らず、再手術を行う場合もあります。
薬物療法
眼圧を下げるために、主に房水の産生量を減らしたり、房水の流れを良くする薬が使用されます。まず点眼薬から始めて最初は1種類の薬で様子を見ながら途中で変更したり、2、3種類を併用することもあります。点眼薬だけでは効果が不十分な場合、内用薬を併用することもあります。
◎急性緑内障や薬物療法で眼圧コントロールが不十分な場合、レーザー治療や手術を行います。
レーザー治療
レーザーを虹彩にあてて穴を開けたり、繊維柱帯にあてて房水の流出を促進します。比較的安全で痛みもなく、入院の必要もありません。
手術
房水の流れを妨げている部分を切開し、流路を作って房水を流れやすくする方法や、毛様体での房水の産生を抑える方法などがあります。