東北大学医学部では5年生から実際に患者さんのところに行って医療を教わる臨床研修を市中病院で行う事ができ、私は外科臨床研修の1/3に渡る1ヶ月間を仙台市立病院で過ごしました。
その時に当時の外科部長であるS部長より“外科医は、外科医である前に優秀な内科医でなければならない”と教えられ、この言葉に非常に感銘し以降外科医の道を歩み市立病院の外科部長になることを目標にしておりました。東北大学を卒業し仙台に残る事も考えましたが、大阪の千里に生まれた身であり地域の皆さんに直接恩返しをしたい思いの方が強く、結果的には大阪大学の第二外科(現在の消化器外科)に卒業後すぐに入局しました。
八尾市立病院、新千里病院での研修を終えた後医局へ帰学した際に、治りにくい癌の研究をしたいと教授に申し出ましたところ、膵臓癌や肝臓癌などの難治癌の診療を主にする肝胆膵グループに配属されました。
その後肝臓癌の研究で学位取得後は、アメリカ三大癌センターの一つであるテキサス大学MD Anderson Cancer Centerに留学し、膵臓癌の研究をする機会にも恵まれました。そこでは、”Making Cancer History(癌治療の歴史をつくる)”という理念のもといくつもの挑戦的治療や実験が行われており、難治癌克服にかける熱い思いを持った研究者やドクターに会うことができ、いまでも私の心の支えとなっております。
帰国後、市立堺病院(現在の堺市立総合医療センター)で約9年間肝胆膵外科に従事し肝胆膵外科部長となり、学生時代に目標としていた役職につきました。実際の肝胆膵外科の臨床現場は、大量出血と隣り合わせで長時間の難易度の高い手術が主となり、とてもシビアな現場でありました。しかしながら持ち前の明るさと前向きな性格さらには温厚な人柄によりチームの皆さんからの協力を得ることができ、患者さんから信頼される肝胆膵外科チームを作りあげる事ができました。患者さんに加え医療チームも最善の状態にもってゆき手術を行うのですが、肝臓癌や膵臓癌は元来難治性で5年無再発生存される患者さんは一握りです。
堺市立総合医療センターでは、さらに栄養サポートチームのリーダーも努め、低栄養の患者さんの状態を最良にすべく色々な工夫もしました。そのうちに肝臓や膵臓の臓器機能をもとに戻すのは難しく、むしろ臓器障害や発癌が起こらないように患者さんに協力することの方が、より多くの患者さんを救えるのではないかと考えるようになりました。喫煙や肥満、糖尿病、脂肪肝、ウイルス性肝炎、過度のアルコール摂取などは肝臓癌や膵臓癌のリスクファクターとなります。上述に高血圧や脂質異常症などを加えた生活習慣病の予防、コントロールのお手伝いを患者さんと最も距離が近いところでやりたいと思いクリニックを開業するに至りました。今後は千里地域の皆様の健康寿命の延長に努めて行きたいと思います。
クリニックの名称は、私の名前“ためよし”と健康長寿のシンボルである“かめさん”とをかけあわして“ためさん“とさせていただきました。親しみやすく気軽に相談できるクリニックを目指しておりますので何卒よろしくお願い申し上げます。