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寺田クリニック

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慢性疼痛と精神不安定と更年期症候群

慢性疼痛は帯状疱疹後疼痛や糖尿病性抹消神経障害等の末梢神経障害性疼痛によるも
のが多くなっています。
特に日本人の2人に1人が糖尿病に罹患する可能性が有ると言われている食生活や運動
生活になってしまった現代のストレス社会です。

肩コリや腰痛が起こり易い年代(35~60歳以上迄)に、男女伴に更年期症候群が起こ
ります。
 また老齢期の両親、思春期の子供とかの関係と自己体力の低下により精神的不安定
に至り、酷くなると欝病を呈してしまいます。
 特に男性は女性の4倍自殺傾向が有りますので、早期発見早期治療が求められます。

この頃の更年期障害(男女伴)の時期に、体力が低下して、心が弱く成り易く、家庭
問題や仕事問題や両親の介護や死去等が起こり、我々世代は心身伴に落ちて行きま
す。
 それで、肩コリ腰痛坐骨神経痛等の疼痛が起こり易く成り、風邪やインフルエンザ
にも罹患し易く成ります。

上記の末梢神経障害性疼痛(帯状疱疹後疼痛等始め旧怪我や疼痛が一度緩和したにも
関わらず再度痛くなるチクチクピリピリした様な疼痛)や糖尿病性抹消神経障害や帯
状疱疹後疼痛による慢性疼痛なのですが、心身伴へのストレスの為、心が痛んでそれ
を脳が回避させるため、元々弱かった腰や肩に代償的に痛みを造って、脳を守ると言
う代償活動であると、最近世界的規模で明確に解ったのです。
 現在は世界的規模で疼痛学会、ペインクリニック学会、整形外科学会等でも精神症
状を止める精神安定方向に持って行くのが疼痛除去に有効と認められて居ます。

故に、末梢神経障害性疼痛や糖尿病性抹消神経障害による慢性疼痛には、昔の薬で有
る俗に言う急性期の痛み止めのNSAIDs(ロキソニン、ボルタレン、イブ)等は基本
余り使いません。
①神経ブロック注射(整形外科域の注射で無い処の麻酔科ペインクリニック科の注
射)やトリガーポイント注射(圧痛点への局所注射)
②新世代疼痛除去薬(抗痙攣薬プレガバリン/リリカ、弱オピオイドとアセトアミノ
フエン製合剤トラマドール/トラムセット)
③日本漢方薬(日本東洋医学)による不定愁訴や自律神経失調症や疼痛緩和を狙いま
す。
④中国式漢方薬(中医学)により日本式漢方薬以上に強い作用を目的とさせます。
⑤抗鬱剤によりセロトニン、ノルアドレナリン、ドパミン作動を高めて、精神的な部
分を安定させます。

将来は末期の癌性疼痛で利用されている純麻薬系製剤や麻薬であるマリフアナ迄もが
慢性疼痛治療薬として使われる可能性が高いのです。

メカニズム的には疼痛を脳で感じるそのラインを電気的にスイッチを切ってしまい、
その間に漢方や下記の運動療法等で緩和させ且つ御本人様に取って苦しくない楽しい
事を等の趣味道楽を行って貰います。
 そうすることにより痛みの脳への連鎖を断ち切ります。
 それにより痛みを画期的に減少させられます。

これに加えて、リハビリでは無い処の運動療法(機械や体操を使ったICHIROさんや
BOXING金メダリスト村田さん等の運動手法です。その正反対に居るのが強い筋トレや
加圧トレーニングやホットヨガに相当します)を併用させると抜群に疼痛が緩和し
て、二次的に運動活動性が向上します。

NSAIDs(ロキソニン、ボルタレン、イブ)等は若い方の急性期疼痛(主に怪我・・
整形外科領域)では利用しています。
出血傾向(胃十二指腸潰瘍や脳血栓誘発)が有る為、中年期や老齢期には大量投薬に
は限界が有ります。

故に中年~初老期の人間が運動能力や生活能力を維持させるには、健康問題を第一に
考えて、生活習慣病を抑えて、痛みや心の安定を維持させ、最終的には薬を使ってで
も嫌な事や痛みは忘れてしまう事が重要です。
 最終的には心の安定、ランナーならばランナーズハイやドライビングで言うとドラ
イビング・ハイ(二玄社NAVI誌2007年7月号にわたくしが投稿させて頂きまし
た)を利用し、楽しい前向きな気持ちで生活を送ると生活能力が向上しますし、二次
的にトラブル回避も可能になります。
勿論文化的な趣味道楽を導入されると非常に早く緩和傾向を造ります。

病気が安定していて、心が安定して余り怒らなくなれば、冷静な判断で生活出来る
為、最終的には反射も動体視力も低下したとしても、有る程度運動能力が維持出来る
と思いますし、当然慢性疼痛も緩和軽快していきます。

癌の末期患者さんに対して『心のケア』をする為に、疼痛緩和の為に宗教療法(護摩
修行やキリスト教始め各種宗教への入信等)をお願いしている癌専門の緩和治療をさ
れている病院も御座います。

最終的にはやはり昔からのことわざの様に『病は気から』なのでしょうか。