ピルと避妊
みなさんはピル(低容量ピル)に対してどのようなイメージをお持ちですか?
ホルモン剤は心配、太るのでは、がんになりやすいから、高そうだから…。日本人のピル服用率(約1%)は他の諸国にくらべてきわめて低く(ヨーロッパ;30~50%、アメリカ;15%、アジア;5%)そのため、いまだに望まれない妊娠が減りません。また先進諸国のなかで唯一日本だけ卵巣がんの患者数が増えていることや、国内の子宮内膜症患者数の増加は、ピルの服用率が低いためとも言われています。
ピルには避妊効果の他にもいろいろな効用があり、副作用はみなさんが思っているほど多くありません。適応を守ればとても安全で効果のある薬です。
■ピルの効果・副作用
避妊の仕組み
ピルの成分は卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンです。避妊の仕組みはおもに、
<1>排卵を抑える
<2>子宮内膜を妊娠しにくい状態にする
<3>頚管粘液を精子が子宮に入りにくい状態にする
以上の3点の作用で避妊効果をもたらします。正しく服用した場合ほぼ100%の効果があり他の避妊法より確実です。
避妊以外の効果
最近はピルを避妊以外の目的で処方することも多くなりました。おもな症状として、子宮内膜症、生理痛、過多月経、不規則な生理の周期、生理前の諸症状 [月経前症候群(いらいら、便秘、下腹痛、ニキビなど)] などがあげられます。
・ 生理痛、過多月経:<2>の効果で月経の量を減らすため生理痛や月経の量が軽減します。また腹腔内への月経血の逆流が減少するため、子宮内膜症や骨盤内感染症の予防になります。ピルの成分は自分のからだが作っているホルモンなので、鎮痛剤の内服よりからだにやさしい治療です。
・ 腹腔内への月経血の逆流が減少するため子宮内膜症の予防や治療、また骨盤内感染症の予防になります。
・ 不規則な生理の周期:ホルモンの量を規則的に調節するので生理周期が規則的になり、旅行などの予定もたてやすくなります。
・ 生理前の諸症状:ホルモンの値が保たれるので生理の前の不快な症状が抑えられます。
副作用
・ 一番重要な副作用は血栓症(エコノミー症候群など)です。卵胞ホルモンには血液を固まらせる作用があるため血の固まりが出来やすくなります。
・ 悪心、不正出血、乳房の張りなど3割のかたに見られます。しかしそのほとんどは3ヶ月内服を続けるとおさまってきます。
検査・費用
1シート(ひと月)…2,500円
初回のみ初診料6,000円と指導料3,000円。検査は超音波検査と血圧測定をおこないます。同時にがん検診、感染症のチェックをおすすめします。次回からピル代金のみとなります。
郵送による処方も受け付けます(初診は不可)。
※生理痛などの原因で処方する場合、診察は保険診療となります。
■よくある質問
Q:ピルをのむと太るのでは?
A:ほとんど太る心配はありません。以前の中容量ピルでは体重増加が見られましたが、現在の低容量ピルでは体重増加はほとんどありません。ピルの副作用というより内服により食欲が増すというかたがたまにいらっしゃいます。
Q:がんになりやすくなるのでは?
A:乳がんに関しては世界中でさまざまな報告があり、影響がないとするものもありますが、やや(約1割)危険性が増すとされています。しかし子宮体がん、卵巣がんでは危険性が50%以上低下します。
Q:妊娠できなくなるのでは?
A:服用前、生理が順調だったかたは服用中止後5週間で生理周期が回復します。ほとんどのかたは3ヶ月以内で生理周期が回復します。
Q:感染症が心配。
A:ピルは性病の予防はできません。避妊と性病予防とは考え方が違います。性病の感染の危険があるような場合にはコンドームを使用してください。またピル服用前にいちどクラミジアなどの検査をおすすめします。
Q:ピルは高いのでは?
A:健康保険の適応外のため自由診療になります。だいたい1シート、3,000円前後(当院では2,500円)で、検査費用は病院によりまちまちです。高いか安いかよりも自分のからだのことです。高価なサプリメントよりずっとからだにやさしい薬だと思います。そして服用中の定期検査は婦人科検診も兼ねて年に一度の健康チェックとして活用してみてはいかがでしょう。
ホルモン剤は心配、太るのでは、がんになりやすいから、高そうだから…。日本人のピル服用率(約1%)は他の諸国にくらべてきわめて低く(ヨーロッパ;30~50%、アメリカ;15%、アジア;5%)そのため、いまだに望まれない妊娠が減りません。また先進諸国のなかで唯一日本だけ卵巣がんの患者数が増えていることや、国内の子宮内膜症患者数の増加は、ピルの服用率が低いためとも言われています。
ピルには避妊効果の他にもいろいろな効用があり、副作用はみなさんが思っているほど多くありません。適応を守ればとても安全で効果のある薬です。
■ピルの効果・副作用
避妊の仕組み
ピルの成分は卵巣から分泌される卵胞ホルモンと黄体ホルモンです。避妊の仕組みはおもに、
<1>排卵を抑える
<2>子宮内膜を妊娠しにくい状態にする
<3>頚管粘液を精子が子宮に入りにくい状態にする
以上の3点の作用で避妊効果をもたらします。正しく服用した場合ほぼ100%の効果があり他の避妊法より確実です。
避妊以外の効果
最近はピルを避妊以外の目的で処方することも多くなりました。おもな症状として、子宮内膜症、生理痛、過多月経、不規則な生理の周期、生理前の諸症状 [月経前症候群(いらいら、便秘、下腹痛、ニキビなど)] などがあげられます。
・ 生理痛、過多月経:<2>の効果で月経の量を減らすため生理痛や月経の量が軽減します。また腹腔内への月経血の逆流が減少するため、子宮内膜症や骨盤内感染症の予防になります。ピルの成分は自分のからだが作っているホルモンなので、鎮痛剤の内服よりからだにやさしい治療です。
・ 腹腔内への月経血の逆流が減少するため子宮内膜症の予防や治療、また骨盤内感染症の予防になります。
・ 不規則な生理の周期:ホルモンの量を規則的に調節するので生理周期が規則的になり、旅行などの予定もたてやすくなります。
・ 生理前の諸症状:ホルモンの値が保たれるので生理の前の不快な症状が抑えられます。
副作用
・ 一番重要な副作用は血栓症(エコノミー症候群など)です。卵胞ホルモンには血液を固まらせる作用があるため血の固まりが出来やすくなります。
・ 悪心、不正出血、乳房の張りなど3割のかたに見られます。しかしそのほとんどは3ヶ月内服を続けるとおさまってきます。
検査・費用
1シート(ひと月)…2,500円
初回のみ初診料6,000円と指導料3,000円。検査は超音波検査と血圧測定をおこないます。同時にがん検診、感染症のチェックをおすすめします。次回からピル代金のみとなります。
郵送による処方も受け付けます(初診は不可)。
※生理痛などの原因で処方する場合、診察は保険診療となります。
■よくある質問
Q:ピルをのむと太るのでは?
A:ほとんど太る心配はありません。以前の中容量ピルでは体重増加が見られましたが、現在の低容量ピルでは体重増加はほとんどありません。ピルの副作用というより内服により食欲が増すというかたがたまにいらっしゃいます。
Q:がんになりやすくなるのでは?
A:乳がんに関しては世界中でさまざまな報告があり、影響がないとするものもありますが、やや(約1割)危険性が増すとされています。しかし子宮体がん、卵巣がんでは危険性が50%以上低下します。
Q:妊娠できなくなるのでは?
A:服用前、生理が順調だったかたは服用中止後5週間で生理周期が回復します。ほとんどのかたは3ヶ月以内で生理周期が回復します。
Q:感染症が心配。
A:ピルは性病の予防はできません。避妊と性病予防とは考え方が違います。性病の感染の危険があるような場合にはコンドームを使用してください。またピル服用前にいちどクラミジアなどの検査をおすすめします。
Q:ピルは高いのでは?
A:健康保険の適応外のため自由診療になります。だいたい1シート、3,000円前後(当院では2,500円)で、検査費用は病院によりまちまちです。高いか安いかよりも自分のからだのことです。高価なサプリメントよりずっとからだにやさしい薬だと思います。そして服用中の定期検査は婦人科検診も兼ねて年に一度の健康チェックとして活用してみてはいかがでしょう。