扁桃周囲膿瘍 ヘントウシュウイノウヨウ

初診に適した診療科目

扁桃周囲膿瘍はどんな病気?

扁桃周囲膿瘍とは、扁桃腺などの組織が大きく腫れ上がり、膿を持ってしまう病気です。
主に急性扁桃炎が悪化した場合に多く見られます。高熱と強い喉の痛みがあり、そのことにより水や食事を取ることが出来なくなるケースが多々あります。
一般的な治療方法は根本治療になる切開排膿と、抗生剤・消炎剤の投与による炎症緩和が基本になります。

主な症状

扁桃周囲膿瘍は急性扁桃炎に引き続いて発症し、激しいのどの痛みが特徴です。ものを飲み込むときに激しい痛みを伴い、しばしば耳まで痛みが広がります。
通常は左右のどちらかの扁桃にだけ炎症が起きます。
全身のだるさや発熱がみられ、経口摂取がほとんどできなくなり、全身倦怠感、脱水状態となります。

主な原因

扁桃周囲膿瘍が発症する原因は、急性扁桃炎(口蓋扁桃の急性炎症のこと)の菌に加えて嫌気性菌(酸素を必要としない菌)が加わることです。
これによって扁桃腺が炎症を起こし、悪化したところに膿が溜まって化膿します。
その膿の袋が扁桃腺の裏に出来て扁桃腺の周囲を腫らします。最悪の場合は膿が胸の方にまで広がり、胸部膿瘍によって呼吸が止まって死に至ることもあるため注意が必要です。

主な検査と診断

扁桃周囲膿瘍の検査方法は、基本的に問診と膿瘍部分に針を刺して膿汁が吸引されることで診断されます。
問診の際、口を開けると口蓋扁桃だけではなく、その周囲の粘膜が強く赤く腫れ上がり、扁桃が口の中に張り出している状態になっています。針を刺すにしても、膿瘍の状態によっては不可能なこともあります。
その場合は、超音波検査やCTで膿瘍の場所を診断することもあります。

主な治療方法

扁桃周囲膿瘍は扁桃周囲炎との区別が重要となります。治療法において扁桃周囲炎の場合は抗生剤を主体とした保存的治療が行われます。しかし本症の場合は保存的治療よりもいかに早く膿汁を排泄できるかが重要となります。
そのため、膿瘍の場所や程度を考慮して注射針で膿瘍を吸引する場合と、局所麻酔後にメスで切開する場合があります。切開後はガーゼドレーンで十分に排泄します。
緊急手術可の施設では扁桃摘出手術が行われることもあります。