キアリーⅱ型奇形

初診に適した診療科目

キアリーⅱ型奇形はどんな病気?

後頭蓋孔より延髄、第四脳室、小脳等が頸椎間腔内に進入している状態をキアリーⅱ型奇形と言います。キアリーⅱ型奇形は脊髄髄膜瘤の子供に於いてはしばしば認められます。これは延髄の機能の障害のみならず脊髄髄膜瘤に合併する水頭症の原因の一つとなります。延髄の機能が障害される為誤嚥や喘鳴、無呼吸発作が起こりやすくなり生命の危機に瀕する事も有ります。

主な症状

キアリーⅱ型奇形の患者は水頭症の症状を起こしていて、延髄が正常な機能を失っています。そのため、食事をさせても食道に入れるべきものが気管に入ってしまったり、常に気道からはゼロゼロといった喘鳴が聞こえたり、呼吸が不意に停止してしまったりといった症状があらわれることがあります。下半身の運動障害が起きると、歩くことが不可能になる場合もあります。

主な原因

キアリーⅱ型奇形の子供が生まれる原因は、母親が食生活の偏りなどで、野菜や肉を極端に食べなかったために、妊娠中に十分な栄養素を摂れていなかったことであると、これまでの臨床結果から推測されます。特に、ビタミンB12や葉酸といった栄養素が、母親が妊娠前から慢性的に不足していたことがキアリーⅱ型奇形の最も確かな原因であると言えます。

主な検査と診断

キアリーⅱ型奇形の検査方法は、頭部CTもしくはMRI検査により行われます。しかしCTスキャンでは診断を確定しづらいため、現在ではMRI検査が優先されています。画像診断により小脳扁桃及び虫部、第四脳室、延髄などが、頸椎管内に嵌入しているとキアリーⅱ型奇形と診断されます。レントゲン撮影により、頭蓋骨の形状の異常や、脊椎の変形も適宜調べます。

主な治療方法

キアリーⅱ型奇形の治療法は、延髄機能障害と水頭症が合併している場合、まず水頭症から治療します。種類としては、脳室腹腔短絡術、脳室胸腔短絡術、脳室髄液外導出術などから患者様の状態を診なが選択・特定します。このような治療法で延髄の状態が改善されないときは、延髄に対する圧迫から解放するため、頚椎の椎弓切除術を行うときもあります。